自民党総裁選の投開票が行われ、石破茂氏が新しい総裁に選ばれました。宮城県関係の自民党議員からは「一致団結して頑張りたい」という声が聞かれました。

 新田智紀記者「まもなく自民党総裁選が始まります。宮城県関係の議員が次々と会場に入っていきます」

 自民党の総裁選に立候補したのは、推薦人が必要となった1972年以降最も多い9人でした。

 自民党本部で午後1時から1回目の投開票が始まり、宮城県関係の議員も1票を投じました。

 1回目の投票では過半数を獲得できた候補はおらず、高市早苗氏と石破茂氏の決戦投票となりました。その結果、石破氏が高市氏に21票の差をつけ新たな総裁に選ばれました。

 石破茂氏「もう一度、皆が笑顔で暮らせる安全で安心な国にするため石破茂全霊を尽くします」

 今回の結果について宮城県関係の国会議員からは、期待の声が聞かれました。

 衆院宮城1区土井亨議員「党改革、日本の安全防衛、一番大切な経済、特に地方の経済を本当に真剣に取り組んできた先生ですので、私は期待をしています」

 比例東北ブロック秋葉賢也議員「最終的には高市さんに1票を託しましたが、石破さんが選ばれた以上ノーサイドの精神で一致団結して国民の期待に応えていくことに尽きる」

 衆院宮城3区西村明宏議員「国民の皆様の生命、財産をしっかり守るということと日本の将来を担っていくという強い責任感、これを是非持ちながら進んでいっていただきたいと思いますし、我々も支えていかないといけないと思っています」

 衆院宮城4区伊藤信太郎議員「(石破さんは)経験もあるし非常に言論力もある方ですので、新総裁としてリーダーシップを持って日本のためにしっかり働けるように、私たちもしっかり支えてまいりたいと思います」

 衆院宮城6区小野寺五典議員「地域の過疎の問題、農業振興の問題、これをしっかりおっしゃっていたので石破さんに決選投票では投票いたしました。地味ではありますが着実に前に進めていただける方かなと期待をしています」

 自民党総裁選挙の1回目の投票は1人1票を持つ国会議員票368票と、党員党友による党員票368票の合計数で争われました。党員票は、全国集計した投票数をドント方式と呼ばれる方法で各候補に配分されました。

 宮城県では、どの候補が最も多い票を獲得したのでしょうか。

 上野比呂企アナウンサー「午前10時を過ぎました。約20人のスタッフによって開票作業が進められています」

 宮城県の党員と党友は計1万3206人で、投票率は69.55%と前回3年前の総裁選を4.69ポイント下回りました。

 開票の結果トップは高市氏で2778票、次いで石破氏が2443票、小泉氏が1725票などとなりました。4位は林氏で1316票でした。

 自民党宮城県連総裁選挙管理委員会野田譲委員長「(宮城県内)高市さんの人気があったということは、やはりこちらの方に足を運んで多くの方に講演をしたり、そういう近い部分があったのかなという思いであります」

 決選投票は、国会議員の1人1票と各都道府県連に1票ずつ振り分けられた47票で争われました。

 宮城県連の1票は、党員投票で最も得票数が多かった高市氏に投票されました。

 自民党の新しい総裁に石破茂さんが決まったことについて、宮城県の政界からは期待とともに厳しい声が聞かれました。

 自民党と連立政権を組む公明党の宮城県本部の伊藤和博・代表代行は、野党時代の自民党の幹事長だった印象が記憶に残ります。

 公明党宮城県本部代表代行伊藤和博宮城県議「政権を失った時の幹事長さんとして、公明党と一緒になって汗を流して政権奪還を果たした幹事長という印象が強いです。地方に視点を向けたような政策の数々を期待したいなと」

 一方、24日に野田佳彦元総理を代表に選出した立憲民主党は、石破氏を「手ごわい相手」としつつ「政治とカネ」などの議論が深まらないまま解散に踏み切ることにクギを刺します。

 立憲民主党県連副代表坂下賢宮城県議「(総裁選は)政治とカネの問題であったり様々な問題を置き去りにして、ただ耳当たりのいいような、聞きざわりのいいようなことをおっしゃってるだけじゃないのかなと。すぐ解散総選挙ではなくて(政治とカネなどについて)やはりある程度議論はしていただきたい」

 日本共産党も、今回の総裁選を通じて政治とカネの積み残した課題を指摘します。

 日本共産党県委員会三浦一敏宮城県議「本来は今度の総裁選でやはり裏金問題とか、あるいは企業献金問題とかパーティー券の問題とかはっきり言わないまま、全体としてそういうのを継続すると」

 宮城維新の会は、自民党をめぐる旧統一教会や政治とカネの問題などは何も解決していないとして、何をするか期待したいとしました。
 宮城維新の会早坂敦代表「総裁選の石破さんの政策と総理になったときの自民党の政策がどんなものが出るか。本当に刷新化をもっていくのか。期待したいですけど、我々は何も変わらなければ、我々の姿勢で戦っていくという所存です」

 坪谷歩香記者「新しい自民党の総裁が決まりました。街の人はどう受け止めているのでしょうか。仙台市で聞きました」

 「何かちょっと安心した感じ」「一生懸命やっていただいて、何が変わったのか何を変えてくれるのかってはっきり打ち出してくれる人であってほしい」「やっぱり今のこの物価高。何とかしてもらいたいですよね」「高市さんが一番信頼できるのかなって最近になって思うようになったところでした。だからちょっと残念でした」

 宮城県大崎市では政治の信頼回復に期待する声も聞かれました。
 「一般市民ばかりいっぱいお金払って、偉い方はどうなっているのかなというところはありますが。(石破氏は)優しい方なのでちゃんとやってくれれば良いと思います」「僕たち若い世代が将来不安なく、引っ張っていただけるといいと思います。(石破氏に)今は期待の方が大きいです」

 宮城県気仙沼市では地方の活性化に期待する声も上がりました。
 「地方創生というのを最初にぶち上げた方だと記憶してるんですよ。総理になったら地方創生。東日本大震災の復興13年経ってもまだまだ続いてますから」「私は前からなるのではないかと思ってました。色々な話の中に地方を重点に地方を活性化させるという言葉を聞いて気仙沼のためになるのではないかと思ってました」

 10月1日に臨時国会が召集され、石破氏が第102代の総理大臣に指名される見込みです。石破氏は早い時期での衆議院解散の意向を示しており、時期は分かりませんが近いうちに総選挙が行われる可能性があります。