自民党の派閥の政治資金を巡る事件で、安倍派の会計責任者に対して東京地裁は禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

 自民党の安倍派で会計責任者を務めた松本淳一郎被告(77)は、政治資金パーティーの収入約6億7000万円について、収支報告書に嘘の記載をしたなどの政治資金規正法違反の罪に問われています。

 東京地裁は30日の判決で「キックバックの継続について、幹部らで話し合われるなど、やめる契機を得たのに結局前年同様に虚偽記載に至った」「国民の政治不信を招いた」などと指摘しました。

 一方で「会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場にあり、権限に限界があったことは否定できない」などとして松本被告に禁錮3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

 これまでの裁判で松本被告は「嘘の記載をやめるよう昔の幹部に何度か進言した」などと証言していました。

 また、キックバックが再開された経緯について「ある幹部の要望だった」と述べる一方、幹部の名前については明らかにしませんでした。