台湾の半導体大手などによる宮城県大衡村での半導体工場の計画が、27日に突然立ち消えとなりました。村井宮城県知事は「夢にも思わなかった」とショックをあらわにしながらも、新たな企業を誘致する方針を示しました。

 台湾の半導体大手PSMCとネット金融大手のSBIホールディングスは、大衡村に半導体工場を建設し2027年から稼働させる予定でした。

 従業員は約1500人、投資額は宮城県でも過去最大規模の8000億円以上になる予定でした。

 しかし27日、SBIホールディングスはPSMC側から日本国内での半導体製造事業に対応していくことが困難になったとの通知を受けたとして、共同事業を解消すると発表しました。

 SBI側は、引き続き大衡村で半導体関連ビジネスの集積地とする取り組みを進めるとしていますが、計画は大きな見直しを迫られています。

 村井知事「東北の経済界、そして宮城県の経済界、宮城県の市町村、県民の皆様、大変大きな期待を寄せておられた。まさかこのような形になると夢にも思っていなかった。大変残念に思います」

 30日に宮城県庁で報道陣の取材に応じた村井知事、SBIの北尾会長からは公式発表の直前に謝罪と経緯の説明があったといいます。

 工場計画はいったん白紙となりましたが、宮城県は今後、SBIとも共同で新たな企業の誘致を進めていく考えです。

 村井知事「インフラが全て整っていてあれだけの面積がある工場用地は、日本でもほとんど無い。良い企業を引っ張ってくるように努力したいと思います」

 大衡村の小川村長や村民も今後の新たな企業進出に期待を寄せています。

 小川ひろみ大衡村長「今までやってきたこともありましたので、準備段階としてそれも踏まえたうえでこれからに期待したい。(村民も)地域が活性化するという期待感があったと思う。やはり落胆している部分はあると思う」

 大衡村民「村全体としてすごく喜んでいたんですけどね。残念だとは思いますよ」「また同じような大きな会社に来てもらえれば良いなと思うんですけども」