いわゆる”裏金議員”の衆院選での公認問題。5日に自民党本部で石破茂総理大臣、自民党・森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長という、選挙を取り仕切る3人らが集まった会談が行われました。「納得と共感」を得られる結論は出たのでしょうか。(10月5日OA「サタデーステーション」)

■「これではダークアンパンマン」辛辣な声も

報告・若林奈織ディレクター 「石破総理が自民党本部に到着しました。これから公認問題についての協議に入ります」

5日午後8時すぎ、自民党本部に到着した石破総理。先に姿を見せていたのは、自民党の選挙対策のトップ、小泉進次郎氏と森山裕幹事長。話し合ったとみられるのは、衆院選での“裏金議員”の公認問題です。

派閥の裏金問題に関わった議員について、自民党は原則公認で調整していることが判明。公認となれば、選挙の際、自民党からカネ、人、モノなど、全面バックアップが可能になります。およそ1カ月前、サタデーステーションが総裁選前の石破氏を取材した際には、“裏金議員”に厳しい姿勢で臨む考えを示していました。

石破茂氏(先月7日 鹿児島市での講演) 「ルールを守る自民党。なんかルール破りいっぱいいませんか?」

野党関係者 「直近の総裁選での公約を覆すような内閣の何を信用して有権者は選挙に行けば良いのか。石破さんは独特の愛嬌が親しまれていたのに、これでは“ダークアンパンマン”だ」

■「国民の不信・不満・怒り・憤りに対応」

石破総理は5日、石川県の能登半島を訪れ、1月の地震と先月の大雨で甚大な被害を受けた被災地を視察。

被災者 「本当に立ち上がれん」 石破総理 「よし立ち上がろうという気になってもらうようにやりますので、ぜひ言って下さい、何でも」

その後、記者団に対し、裏金問題を受けた衆院選の対応について述べました。

石破茂総理大臣 「本当に自民党というのは、国民の不信・不満・怒り・憤り、これにきちんと対応していることを、まずお示しをしなければならない」

■“比例順位に差”党内から求める声も

石破総理は自ら“裏金議員”にヒアリングを行うことに意欲を見せ、再発防止策を書いた誓約書を出してもらうことで幕引きを図りたい考えです。自民党としても、すでに“裏金議員”に対しては、党の役職停止などの処分をしています。しかし…

自民党・若手議員 「処分はすでにしているという理論的なつじつまが合っていても、『みんな公認します』となると、国民の感情は収まらないだろう。国民の納得を取るか、党内に配慮するかの板挟みだろう」

さらに、自民党は、“裏金議員”の「比例重複」まで容認する方向で調整。小選挙区で敗れても、党が決めた比例代表名簿の上位から復活当選が可能になります。これには、自民党内からも不満の声が…

自民党・ベテラン議員 「小選挙区で落ちた裏金議員がゾンビみたいに復活するなんて世論が認めないだろ。重複比例は認めるにしても、不記載がない人の順位を上にするとか、差をつければいいんじゃないか」

自民党・閣僚経験者 「党で決められるとしたら『処分を受けた議員は比例重複にかけない』ということが限界だろう。でも石破さんは判断できないだろう」