今、旬を迎えているのが「どら焼き」にも欠かせない「あずき」です。近年は不作と言われてきましたが、今年はひと味違うようです。

■「御容赦どらやき」消費期限は1日?

 食欲の秋、“あんこ”の季節がやってきました。

札幌から来た人 「新小豆だね」

 「マルセイバターサンド」など、北海道土産の代表格である六花亭では、7日から季節のお菓子が登場しました。

 中央に“御容赦”と書かれた、その名も「御容赦どらやき」です。御容赦たるゆえんは、収穫されたばかりの“新小豆”にあるといいます。

六花亭 帯広本店 紺谷英一さん 「消費期限が一日。その意味で御容赦」

 みずみずしいあんこ、水分量の多い新小豆を使うため、消費期限は一日限り。

六花亭 帯広本店 紺谷英一さん 「どうしても数に限りがある。その際には御容赦いただきたい」

■「どらやき」今年はひと味違う?

 国内小豆の生産量のうち9割以上を占める北海道。

小豆農家 神谷隆昭さん 「これはエリモショウズという品種」

 一大ブランドを誇る十勝産小豆の収穫は、すでに終盤に差し掛かっています。

 十勝平野中央やや東寄り、北海道池田町にあん作りの工場を置く「十勝製餡」でも立ち上る湯気とともに甘い香りが漂います。

 十勝産小豆の粒あんに練乳クリームを混ぜ合わせたあんがふんわり生地に包まれ、でき上がったのは「白い恋人」でおなじみの「石屋製菓」が手掛けるどらやき。新千歳空港限定の商品です。

■品質良好“あずきショック”回復へ

 一方で、そんな秋の繁忙期を迎える甘いあんこ製造の現場は今、甘くない現実に直面しています。

十勝製餡 前川英樹取締役 「かなり負担が大きい。十勝産に限らず北海道産、国産小豆が全然ない」

 小豆の高騰や品薄、いわゆる“小豆ショック”です。

十勝製餡 前川英樹取締役 「去年は収穫前のところで高温になり、残暑・猛暑で小豆が“2次成長”してしまい非常に収穫量が少ない」

 国内全体の小豆の収穫量も前の年から3割ほど落ち込み、あんこの価格にも影響が出始めているのです。

十勝製餡 前川英樹取締役 「(あんこは)3年前から比べると120%から140%高騰が実情」

小豆農家 神谷隆昭さん 「今年は気温の面でいうと、去年より涼しい気温で来た」

 去年の夏同様、今年も暑かった日本列島ですが、今年の北海道は9月に入ると冷え込む日も多く、最低気温の平均を比較すると4℃も差がありました。

小豆農家 神谷隆昭さん 「今年は平年作か、それ以上のものがあった。ホッと一安心」

 一方、こんな話も…。

十勝製餡 前川英樹取締役 「小豆の場合は2年間、収穫が落ち着かないとなかなか価格に反映しない。まだまだ不透明」

 ただ、今季は小豆の品質は良好で、右肩上がりの価格上昇は落ち着くのではと話していました。