岩屋毅外務大臣が中国の王毅外相と電話で会談しました。

 岩屋大臣は中国軍の活動の活発化や日本人の男児が深センで暴漢に襲われ死亡した事件について、中国側に懸念を表明しました。

 外務省によりますと、両者は9日午後6時から約45分間、電話で会談しました。

 岩屋大臣は8月の中国軍機による領空侵犯や9月の空母による日本領海に近接した海域の航行などについて「深刻な懸念」を改めて伝えました。

 また、深センの事件について在留邦人の不安が高まっていると指摘し、事実解明を求めています。

 一方、中国外務省によりますと、王毅外相は石破内閣について「両国関係を安定的に発展させたいという積極的なシグナルを放っている」と称賛しました。

 ただし、台湾問題については「『1つの中国』の原則を堅持するよう希望する」と強調し、アメリカなどを念頭に「外部勢力がこの地区に波風を立て対立をあおることを防ぐべきだ」と牽制(けんせい)しています。