北極海などでクジラの生態を調べていた調査船が10日朝、宮城県の塩釜港に帰港しクジラの頭数が回復傾向にあることが報告されました。

 10日朝、塩釜港に約70日間の調査を終えた第二勇新丸が戻ってきました。

 調査は、クジラの資源管理のため日本政府とIWC=国際捕鯨委員会が2010年から実施していて今回で15回目です。

 今回は、海水温上昇の影響を調べるため初めて北極海も対象にしました。

 目視で個体数の把握を行い、ナガスクジラやザトウクジラなど約500頭を確認したということです。このため調査団では「資源は順調に回復している」と判断しました。

 乱獲で減少傾向にありIWCも個体数を重要視するコククジラについても、78頭確認できたということです。

 東京海洋大学鯨類学研究室村瀬弘人准教授「この調査から得られた結果は、世界の科学者から注目されています。今後、科学者として得られたデータを使ってクジラの資源管理に貢献できればと考えています」

 今回の調査結果の詳細は、IWC関連の国際会議の場などで報告される予定だということです。