患者数が過去最多。重症化で乳児が死亡するケースも。ワクチンを打っている大人でも油断できない理由がありました。

■「百日せき」大人も油断禁物

 激しいせきの症状で都内の病院に駆け込む人々。最近、こうした患者が急増しているといいます。

 特に子どもを中心に感染が増加しているのが「百日せき」です。

 先月30日までの患者の累計は4771人。去年1年間をすでに上回る患者数となっています。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「非常に感染力が強くて、例えばインフルエンザの10倍近くと言われています。呼吸困難になって重篤化したりとか、脳炎になって重篤化するというリスクがある。我々が普段知っている感染症や、その他のせきのなかで最も激しくて強いレベルのせきが起こり、最も通常のせき止めが効きにくい」

 百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症です。

 都内の病院では去年11月以降、9人が百日せきと診断されて4人が入院し、このうち生後1カ月の乳児1人が亡くなりました。

 細菌の検査を行った6人中5人から通常、用いられる抗菌薬が効かない「耐性菌」が検出されていて、亡くなった乳児も耐性菌に感染していたといいます。

 さらに、ワクチンを打っている大人でも感染のリスクがあるといいます。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長 「1回獲得した免疫も早いと4、5年、平均的には12年ぐらいすると免疫力が落ちてくると言われている。全世代において百日せき菌は感染する」