宮城県は、奈良時代から平安時代にかけて東北の政治と文化の中心であった多賀城の政庁を復元する方針を決めました。

 県によりますと復元が計画されているのは、多賀城跡のうち政務や儀式などが行われた政庁です。

 政庁跡は四方が100メートル余りで現在は礎石のみが残されていますが、この礎石に多賀城が最も栄えた8世紀後半の姿を復元することにしています。

 工事期間は十数年から20年ほどで、数十億円から100億円ほどの費用を見込んでいます。

 文化庁の補助金と共に県が導入する宿泊税の活用も検討していて、4月以降多賀城市の担当者や有識者などと本格的な協議を始めることにしています。

 村井知事は会見で、多賀城の価値を知ってもらう機会になると期待を述べました。

 村井知事「残念ながら多賀城というものがなかなか全国的に認識をされていない。多賀城がここにあって、それによって東北が発展する1つの拠点だったということを、特に若い人、子どもさん方にしっかりと学んでいただきたいなと」

 多賀城をめぐっては2024年の創建1300年を記念し、県と多賀城市が南門と城前官衙と呼ばれる役所群を復元しています。