中居正広さんによる女性への「性暴力はあった」と認めたフジテレビの第三者委員会。31日午後から開かれている会見で、その詳細が分かってきました。

■「業務の延長線上の性暴力」

第三者委員会 竹内朗委員長 「報道等で関心が寄せられていたのは、そこにCXの社員の関与があったのかという点になるが、2023年6月2日の日付だけを切り取って言えば、そこにCX社員の関与はありませんでした。しかしながら、今回起きたことというのは2人の間のプライベートな問題ということではなく、CXの業務の延長線上にあったと判断をしております。仕事上の関係であって交際関係とかそういうものではなかったと。著名なタレントと入社数年目のアナウンサーということで、そこには権力格差があったということもここに書いてあります」

 中居さんと女性のトラブルを巡るフジテレビの一連の問題。フジテレビと親会社が設置した第三者委員会が調査結果を報告しました。

第三者委員会 竹内朗委員長 「当委員会は2023年6月2日に女性Aが中居氏のマンションの部屋に入ってから退出するまでの間に起きたこと、本事案について女性が中居氏によって性暴力による被害を受けたものと認定を致しました」

 約2カ月に及んだ調査。当日の詳細なやり取りが明らかになりました。

 一連の問題の端緒となった中居さんと女性Aさんとの間で起きたトラブル。その2日前のバーベキューの際、中居さんとフジテレビ社員Bの間で、こんなやり取りがあったそうです。

調査報告書 中居氏(原文ママ) 「男同士じゃつまらんね。女性いるかなね。一般はさすがにね。となりフシアナ誰か来れるかな」

調査報告書 フジテレビ社員 「アナウンサー調整してみます。何時からどこでバーベキューするイメージですか?2、3人いれば大丈夫ですかね。(中略)女性Aに声掛けてみようかなと思います」

 そして、その2日後、中居さんの自宅を訪れた女性Aさん。その詳細な状況が分かってきました。

女性A 「直前、誰も集まらない、いい店がない。それならこの前、皆でバーベキューをしたところでごはんはどうですか?と仕事上付き合いのある芸能界の大御所からそう言われたら今夜、暇だと言ってしまった私は行かざるを得ない。B氏や他のディレクターはいつも中居氏にペコペコしている姿を見ていたから、逆らえないと思っていた。ここで断ったりしたら仕事に影響が出るのではないか、断ったらそのことがBさんに伝わって番組に呼ばれなくなるのではないか、そんな思いがあって、行きたくはないけど行ったという気持ち」

調査報告書 「このように女性Aは中居氏の誘いを断ることで今後の仕事に差し障ると考えると今更断れず、行くこととし、女性Aは中居氏に対して大丈夫である旨を返信した」

 調査報告書では、性暴力はあったと認定しています。

第三者委員会 竹内朗委員長 「当委員会は2023年6月2日に女性Aが中居氏のマンションの部屋に入ってから退室するまでの間に起きたこと、本事案について、女性が中居氏によって性暴力による被害を受けたものと認定を致しました」

■なぜ中居氏を継続起用?

 なぜ、フジテレビは問題の発覚後も中居氏の起用を続けたのでしょうか。

第三者委員会 竹内朗委員長 「結果として、中居氏の番組出演の継続を続けたことは間違った判断であったと。その間違った判断を導いたのは編成制作ラインというふうに呼んでいますが、編成局長、編成担当、専務取締役、そして港(前)社長、この3人が編成制作の考えで編成ごとという考えのなかで、狭い考えのなかでコンプライアンス推進室ですとか、それから外部の専門家に相談をせずそのような判断をしてしまったと、これが大きな間違いを生んだというふうに考えております。それが判断として間違っていたという以上に、被害を受けた女性Aとの関係では被害者に寄り添わない2次加害と評価されるものであった」

 また、会社の体質についても厳しい声が…。

会社の体質について 調査報告書から 「当社には少なくとも10年以上前から、大手芸能プロダクション社長が主催する食事会が多数開催されており、花火大会の際の会合等に女性アナウンサーや女性社員らを同行する慣習も存在している。フジテレビ社内において、性別・年齢・容姿に着目し、女性社員や女性アナウンサーを同席させて取引先の歓心を得る目的があったものと理解される」

 また、日枝氏ら経営陣の責任については…。

経営陣の責任について 調査報告書から 「セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質は日枝氏だけでなく、当社の役職員全員の日々の言動から形成されたものである。会長と社長のなかには社員からの信頼感が低いことを自覚し、自らの意思決定に日枝氏の権威を借用するために日枝氏にお伺いを立て、社長や会長が自ら決めるべき意思決定に対する責任感や当事者意識を削ぐという弊害が認められ、悪しき慣習というべきである」

第三者委員会 竹内朗委員長 「アナウンサーやアナウンス室に所属するアナウンサー、退職したアナウンサーも含めてですが、私どもが調査を進めるなかでアナウンサーが非常に人権的に脆弱(ぜいじゃく)的な立場にあるのではないか、この社内ハラスメント事案に共通していることは会社の対応が非常に問題であると、つまり社内のセクハラに非常に寛容な企業体質があった。その地続きで取引先からのハラスメント被害があったと認識をしております」

 質疑応答では、報告書の内容や調査の過程について質問が及びました。