平成の大合併で宮城県の栗原市、登米市、東松島市、石巻市の4つの自治体が誕生して4月1日で20年となります。郵便局では栗原市誕生20年を記念した切手の販売が始まりました。

 栗原市は2005年4月1日、当時の築館町や若柳町など栗原郡の10町村が合併して誕生しました。いわゆる平成の大合併で誕生した自治体の1つです。

 栗原市誕生20周年を記念して4月1日から宮城県の郵便局でオリジナルフレーム切手の販売が始まり、このうち栗原市の宮野郵便局では営業開始と同時に切手を購入する人の姿が見られました。

 「20周年の切手が欲しくて来ました。見た感じは良いですね。切手貼って送るのがもったいなくなりました」

 切手は110円切手10枚がセットになっていて、ラムサール条約に登録されている伊豆沼など栗原市の名所を写した写真が使われています。

 宮野郵便局千葉浩樹局長「栗原市の魅力を再認識いただけるような切手デザインになっております。遠方の方にお手紙を書く際になど是非ご使用いただき、栗原市の魅力を広げていただければと思います」

 切手は栗原市を中心に宮城県北部地域の59の郵便局で、限定300シートが販売されています。

 栗原市が誕生して1日で20年です。自治体を広域化して財政基盤を強化し地方分権を推進しようと、政府主導で行われた自治体の合併、いわゆる平成の大合併で誕生した市の1つです。

 宮城県では、平成の大合併によって1999年には71あった市町村の数が、2009年には現在の35にまで減りました。

 平成の大合併で誕生したのが、栗原市のほかにも、登米町や迫町など9町が合併してできた登米市や、矢本町と鳴瀬町の2町が合併した東松島市など9つの市町です。

 様々な自治体が合併してできた新しい市なので、その名前には色々な候補がありました。

 例えば栗原市の場合は、平仮名表記のくりはら市やくりこま高原市、東松島市は、あおい市や青空市、南三陸町は片仮名を使ったリアス町という候補もあったということです。石巻市には、南三陸市という候補もありました。

 平成の大合併が幻に終わった計画もあります。平成の大合併で宮城県で一番最初の2003年に誕生した加美町です。

 2002年に加美郡の中新田町、小野田町、宮崎町、色麻町の4町は2003年4月に合併して加美市となることを模索していました。

 しかし当時の色麻町長は、町民の意向調査の結果を踏まえ、十分時間をかけて協議すべきだとして合併の延期を申し入れました。合併の協議会はこの申し入れを受け入れず、色麻町を除いた3町で合併することが決まりました。

 色麻町伊藤拓哉町長(当時)「急いで協議が伴わない中で4町がやるのではなくて、協議を伴ってやりたかった。でもそれはできないと、ただ合併だけすれば良いのだと、次の年度に向かって3町がやるというのならやむを得ない」

 こうして色麻町を除いた3町で合併することになりましたが、3町では市の要件である人口3万人には満たず加美市ではなく加美町となりました。

 ほかにも柴田、村田、大河原の県南3町が合併を模索していたこともありましたが、こちらも実現せずに終わっています。