トランプ関税を巡り、日本を訪れているアメリカ人観光客の買い物の仕方にも変化が起きていました。

■百貨店大手、先月突然マイナスに

イタリア人旅行者 「ガンダムのプラモデルを買いました」

 プラモデルを買ってご満悦のイタリア人の男性。

ドイツ人旅行者 「これは台所で使います」

 ドイツから来たこちらの女性は、キッチン用品など購入した雑貨を大きな袋から取り出して見せてくれました。

 好調にみえるインバウンド消費ですが、実は逆風が吹き始めています。百貨店大手2社のインバウンドの免税売上げは、前年の同月比で過去3年近くプラスで推移していましたが、先月に突然マイナスに転じました。

J.フロント リテイリング 小野圭一社長(14日) 「インバウンドのお客様が為替が円高にふれているものを敬遠して、買い控えをしているという状況が出てきている」

 インバウンド消費に影響を与えているという円高。しかし、欧米人に人気の買い物スポットを取材すると、意外な現状が見えてきました。

■関税発動前の大量注文も

 調理器具などの専門店が集まる東京・台東区のかっぱ橋道具街。15日も多くの欧米人旅行者でにぎわっていました。

アメリカ人旅行者 「ナイフやキッチン用品を買いました」

 アメリカ・シアトルから来たという男性は、フライ返しなど実用的なキッチン用品を購入していました。

アメリカ人旅行者 「もっと買いたいです。でも、飛行機はスーツケース2つまでなので…。もっと買いたいんですけどね」

 「もっと買いたい」という背景にあるのがトランプ関税。90日間停止されている相互関税が今後発動された場合、こうした日本製品はアメリカ国内で大幅に値上がりする可能性があるのです。

 熱心におちょこを選んでいたこちらの女性はこう話します。

アメリカ人旅行者 「アメリカでこれほど多くの種類は普通見つかりません。今のうちにたくさん買っておきたいと思います。帰国したら半分も買えなくなるかもしれないので、90日後には。スーツケースをもう1つ買おうかと話しているくらいです」

 円高傾向とはいえ、今後のトランプ関税を考慮し、日本で買えるものは買って帰りたいというアメリカ人旅行者が増えていることが分かりました。

 飲食店で使用される和食器やラーメンの丼などを扱う小松屋。多くの欧米人旅行者が土産物として買って帰る人気店です。店側にもトランプ関税の影響はあるのでしょうか。

小松屋 本健太郎社長 「海外のラーメンチェーンにも輸出しているので、そういうところが関税がかかるとなると、買い控えがあるような危惧はある」

 一方で、関税発動前の大量注文の動きもあり、良い影響が出るか悪い影響が出るか、まだ判断がつかない状況だということです。

(「グッド!モーニング」2025年4月16日放送分より)