宮城県名取市閖上では、東日本大震災からの復興を祝う閖上復興まつりが9日に行われました。会場では伝統の閖上太鼓が披露されたほか、震災前の閖上の写真も展示されました。

 閖上復興まつりは地域住民が主催した祭りで、はじめに名取市の無形民俗文化財で伊達政宗公が閖上を散策した際に地元の漁師が披露したと言われている、閖上大漁唄込み踊が披露されました。

 この祭りは本来、2年半前の街びらきに合わせて行う予定でしたが新型コロナの影響で延期されていて、参加した住民だけではなく震災で閖上を離れた人も懐かしい歌や踊りを楽しんでいました。

 震災前、約7000人が住んでいた閖上地区は、津波で被災し6メートルほどかさ上げして3000人規模の町として再建しました。

 新しい町でかつての住民が占める割合は半分ほどで、残りは仙台市やそのほかの地域から移り住んできた人たちです。

 会場では、震災前の閖上の街並みを記録した写真の展示やスライドが上映されました。

 来場者「今は閖上には住んでいないけれども、元々閖上で生まれ育って幼い頃に育った所の写真を見てすっかり思い出して涙出るくらい感動。今はきれいになってそれはそれでいいんだけれども、昔の建物が一つも無いということはやっぱり寂しいですよ」

 祭りの最後は、伝統の大迫力の閖上太鼓で締めくくられました。

 閖上太鼓の保存会のメンバーは、後継者を育成するため、7月に新たに子ども向けの太鼓教室を開講していて、この日はこれまで練習してきた子どもたちが初めて演奏しました。

 閖上太鼓保存会三浦勝治さん「今回のお祭りは12年前まであった閖上夏祭りを復活さ

せたいなっていう気持ちもあって。もう感無量で言葉にならない感じでさっきもみんなと抱き合って本当に一つ一つの演奏を見ていて」

 閖上を知ってもらい伝統を継承する。祭りを主催した住民はその第一歩を踏み出せたと手応えを感じていました。

 閖上復興まつり実行委員長赤間勲さん「本日、初めてやるわけですからやって良かったなと思います。毎年継続してやりたいなと。声かけをしてまた町を挙げてやりたいなと思います」