水難事故や水害の時に水の冷たさから体を守るため、水難学会が防水スーツの中に何を着込めば効果的かを試す実験を宮城県大崎市で行いました。
この実験は、2022年4月に起きた北海道知床沖の遊覧船沈没事故を受け、水難学会が初めて行いました。
「(このスーツは)防水性はあっても保温性はありません。なので保温性はここに並んでいるこういうものを着ていただいて、断熱性ですね、温度の低下率を計測します」
参加者は、防水スーツの中にダウンジャケットやフリースを着て、体の6カ所に温度センサーを装着。着込む服装を変えて15分間ずつ水温マイナス0.5℃のプールに浮かび、体感や体調の変化を調べました。
参加者「Q.手と足どっちが酷いですか」「A.今は手です」「Q.手の方がひどい」「Q.震えが来そうな感覚ではまだない?」「A.ないです」「手のこわばりないですね」
プールから上がると、指先の温度を計測。
実験は医師が立ち会いながら、3パターンの服装を試しました。
参加者「ドライスーツの中にフリースだけで入ると、入った瞬間から冷たくてとても長い時間は耐えられないなと感じました」
水難学会では、防水スーツと効果的な服装の組み合わせを探り、実験データをまとめて3月上旬にも公開することにしています。
水難学会斎藤秀俊会長「ドライスーツの下に着るものが厚ければ厚いほど確かに体温が保たれるんですけど、これからはもっと薄くしてどこまで耐えられるかというところですね」