サルの出没が相次いでいる宮城県石巻市で、28日朝もサルが現れました。近所に住む人たちからは「何かあったら怖い」などと不安の声が上がっています。
27日にサルが出没した石巻市宜山町の集合住宅では、28日も朝から同じとみられるサルが姿を現しました。
サルは、近くの林に入ったかと思うとまた敷地内に現れます。住民も、どんな動きをするのか分からずこわごわ様子を見ています。
その後、サルは集合住宅から30メートルほど離れた空き家の屋根に現れ、どこで手に入れたのか灰皿をたたいたり木の実を食べたりして、すっかりくつろいだ様子を見せていました。近所の人は不安を口にします。
近所の人「小さい子どもが家にいるので、車に乗せる瞬間とか何かあっては怖いので、ちょっと不安はありますね」
警察によりますと5月9日以降、石巻市の中心部ではサルの目撃情報が70件も寄せられています。
石巻市でも捕獲に向けパトロールやわなの設置を行っていますが、成果は出ていません。
石巻市市民生活部環境課佐々木学課長「人に今は危害が加わっていないので、人に危害が加わる前になんとか捕獲したいなと」
ニホンザルの生態に詳しい石巻専修大学の辻大和准教授は、5月から確認されているサルは同じサルだと推察しています。
石巻専修大学辻大和准教授「顔つきとか体の大きさがほぼ一緒なので、おそらく同一個体だと思います」
体の大きさなどから、3歳から5歳ほどの若いオスのニホンザルだということです。
普段は群れで暮らすサルが一体なぜ、住宅街に1匹で現れたのでしょうか。
石巻専修大学辻大和准教授「オスはある程度大きくなると生まれた群れから離れて、しばらく旅をしてよその群れに入り込む習性があるんですね。ですから今回石巻市街地で確認されているオスは、たまたまちょっと立ち寄った場所に食べ物があったり、居心地が良いのかみんなが追いかけ回すから怖くて逃げられないのか分からないですが、しばらくそこにとどまっている状態だと思います」
辻准教授によりますと、石巻市でサルが目撃されるのは決して珍しいことではないと言います。
石巻専修大学辻大和准教授「牡鹿半島や東松島市にもいますし、北の方だと南三陸町や気仙沼市にも来てますねですから石巻市の皆さんは決しておかしなことが起こってるわけではないことを理解していただきたいなと思います」
辻准教授によりますと、サルは目が合うと威嚇されていると感じ飛び掛かってくる恐れがあるため、もしサルに出会った時は騒がずにそっとしておいてほしいということです。