仙台市青葉区で開発が進む次世代放射光施設が、2024年度の運用開始に向け、一歩を踏み出しました。全周350メートルの円型の加速器で、電子を蓄積することに成功しました。
次世代放射光施設ナノテラスは、非常に明るい光を物質にあてることで、その構造をナノレベル、100万分の1ミリ単位で解析でき、いわば巨大な顕微鏡です。
開発する機構によりますと、解析に必要な非常に明るい光をつくる一環で、全周349メートルの円型の加速器に電子を入れ、ぐるぐる回してためることに成功したということです。
電子に適切なタイミングで力を加え、周回を維持するほか、約400個の電磁石を髪の毛の太さの半分ほど、50ミクロンの精度で置き、電子から出る光の質を保ちます。
量子科学技術研究開発機構西森信行グループリーダー「(電子が)周回するかどうかを心配していた。それが回って、継続的に蓄積してエネルギーを追加して回るようになった。今後、だんだん電流を増やしていくが、今の1000倍に増やしていくが、それに向けて、最初の大きな第一歩になったと思います」
ナノテラスは2024年度に運用を開始する予定です。