福島第一原発の処理水について、東京電力による海洋放出が始まって以降、初めてとなる宮城県の連携会議が開かれました。

 処理水をめぐっては、東京電力が8月から9月にかけて初回の海洋放出を実施。

 この間、周辺の海水や魚のトリチウム濃度の検査は検出できる下限値を下回っていて、5日から2回目の放出を始めました。

 連携会議は2021年に宮城県が設置したもので、海洋放出後初となる6日の会議には村井知事や県内の水産や観光といった業界団体のほか、政府や東京電力の担当者も出席しました。

 会議ではまず、県が放出に伴う水産業への影響を説明。中国向けの輸出が止まったことなどにより、県産ホタテの価格がおよそ25%下落したと報告しました。

 水産業の団体の代表者は放出に伴う現場の実情に加え賠償に対する不信感もあらわにしました。

 県水産物流通対策協議会阿部泰浩会長「震災の課題がまだまだ解決できずに、その上に不漁が重なって非常に体力を消耗しております。コロナと今回の処理水の被害が加わると、本当に企業の存続がかなり難しくなったという風に感じています」

 県漁業協同組合寺沢春彦組合長「東電さんの(賠償の)やり方、進め方が、我々不信感を持っている。はじめに安い値段を提示して後から高い値段を言うとかですね」

 このほか水産業以外にも旅館業の組合の代表者から観光業や宿泊業への支援が見えないなど意見が寄せられました。

 東京電力は適切に賠償を進めることや水産業以外も支援の対象だと応じました。