例年であれば旬を迎えている宮城県の秋の味覚の魚に明暗が分かれています。

 26年連続で生鮮カツオの水揚げ量日本一を誇る気仙沼港には、5日も続々と旬を迎えた戻りガツオが水揚げされました。水揚げ量は5日現在で約1万9000トンと、不漁だった前年の約8400トンの倍以上となる豊漁です。

 第27源吉丸山本隆源船頭「良いと思いますよ。本当に脂も乗っておいしいしね、この時期の本当の戻りガツオだと思いますよ」

 カツオは脂の乗りも良く、27年連続の日本一に向け順調な水揚げが続いています。

 一方で、不漁が続くのがサンマです。しけの影響などもあり入港が無いため、10月の水揚げはゼロ。前年の同じ時期と比べるとわずかに水揚げ量は多いものの、依然として厳しい状況が続いています。

 8日に東京都で開催される目黒のさんま祭では例年、生のサンマを炭火焼きにして提供していますが、水揚げの状況次第では冷凍のサンマも使用する予定だということです。

 気仙沼漁協臼井靖参事「当初の予報がかなり厳しいものだったんですけど、予報が当たって低調に推移していると思います。10月始まったばっかりなので、11月に向けて豊漁に恵まれ港が活気付けばと思います」

 サケも不漁です。南三陸町では9月25日に秋サケの刺し網漁が解禁されましたが、10月4日までに水揚げされたのはわずか8匹。5日も市場に水揚げはありませんでした。 南三陸町の秋サケは、ここ数年で水揚げ量が激減していて、前年1年間の水揚げ量は震災前の100分の1のわずか19トンでした。

 4日現在の水揚げ量は、前年の同じ時期を大きく下回っていて、異例の事態に関係者も頭を悩ませています。

 漁師「水温とかの関係もあるんだろうね。仮に5匹10匹取ったって(採算が)合わない」「魚はもちろんサケはいないし、幻だね幻。幻の魚」