２０２０年、仙台市太白区の電子部品製造工場で社員２人が窒息死した事故で、業務上過失致死の罪に問われていた指揮監督の男性の裁判で仙台地裁は無罪を言い渡しました。

　２０２０年７月、太白区郡山にあるトーキンの工場の磁石を製造する焼結炉の中で、それぞれ当時５０歳と２６歳の男性社員が酸欠で窒息死しました。

　この事故で、作業の指揮監督を行っていた５８歳の男性は業務上過失致死の罪に問われていました。

　これまでの裁判で、男性は「過失はなかった」と無罪を主張していました。検察側は、罰金６０万円を求刑していました。

　１６日の判決で宮田祥次裁判長は「従業員が焼結炉に立ち入ることを具体的に予見できたと認めるには合理的な疑いが残る」「男性に過失があったとは認められない」などとして、男性に無罪を言い渡しました。

　仙台地検は「判決内容を精査し適切に対応したい」とコメントしています。