約20年ぶりにデザインを一新した新紙幣が、7月に発行されます。

 飲食店では、券売機の買い替えが負担になると困惑の声も聞かれます。

 本格的な鳥中華そばが売りの仙台市青葉区にあるラーメン店です。

 魔界ラーメン月光阿部健秀さん「11年前の開店当初からあります。この状態で営業に不自由なことはないです」

 お客さんが手にした紙幣を次から次へと吸い込んでいく券売機をめぐり、ラーメン店が頭を悩ませています。

 魔界ラーメン月光阿部健秀さん「(買い替えには)約300万円と見積もりはいただいています。昨今、物価高もありまして原材料の高騰とかとても苦しい状況です」

 7月3日に発行される新たな紙幣発行は発行は偽造防止などが目的で、1万円札は渋沢栄一に、5000円札は津田梅子、1000円札は北里柴三郎へとデザインが変わります。

 こちらのラーメン店では物価高が続く影響で、材料費が1.5倍に増えてています。6月中に券売機を買い替える予定ですが、交換にかかる費用が厳しい経営状況に追い打ちをかける事態となっています。

 魔界ラーメン月光阿部健秀さん「新紙幣だから券売機を変えてといってすぐに出せるような金額ではないので、新紙幣が使えない券売機を使っていくというのは現実問題無理なのでやむなししょうがなしという気持ちで買い替えを検討していますね」

 新しい紙幣に対応するため、地下鉄でも券売機などの更新作業が進んでいます。

 仙台市交通局では、7月3日までに全ての地下鉄の駅に新紙幣対応の券売機と精算機を1台ずつ設置する予定です。

 全ての地下鉄の券売機と精算機、計174台の更新を終えるのは2025年度末ということで、新たな紙幣に完全に対応するまでには、しばらく時間がかかりそうです。