小さいころから老化の兆しが全身に表れる「早老症」。その治療薬が発売され、海外で使われている新薬の国内での承認の遅れ、「ドラッグ・ラグ」の解消につながると期待されています。

 早老症は成長障害や脱毛症、動脈硬化などの老化の症状が幼い時から現れる遺伝性の病気です。

 その代表的な症候群の一つ、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群は生まれた子の400万人に1人がかかるという珍しい病気で、日本での患者数は数名程度、平均寿命は約14.5歳です。

 アメリカのバイオベンチャーが開発した世界で初めての治療薬「ゾキンヴィ」は老化を早めるたんぱく質を抑える働きがあり、患者の平均生存期間が4年余り伸びるということです。

 2020年にアメリカで承認され、日本では今年1月に承認、先月27日に発売されました。

佐賀大学 松尾宗明教授 「公的な機関、研究者側と企業側がうまく連携して海外からの薬の日本での承認を加速させるようなことが協力体制で今回うまくできたということは、今後の新しい薬の導入に関しても好事例として活用できると思う」