原発の事故で6年間、人口がゼロだった福島県浪江町で若者の移住が増えています。「住みたい田舎1位」の町に何が起きているのでしょうか。

 今も帰還困難区域が町の面積の8割を占める浪江町。その一部で20日から除染が始まりました。そんな町に現れたのは。

なみえアベンジャーズ 「浪江の農業を盛り上げる、エゴマン!」 「移住待ってるぜ、移住マン!」 「浪江の特産品、大堀相馬焼ウーマン!」 「浪江で筋肉超回復、マッスルマン」 「我ら、なみえアベンジャーズ!」

 ご当地ヒーローに扮し町をPRするのは30代の若者達です。メンバーの中には首都圏から移住してきた人もいます。

神奈川県から移住 「移住マン」こと千頭数也さん(36) 「(移住の決め手は)人が温かい場所なので、何かやりたいなと思ったことがあると皆が助けてくれる」

 今年の「住みたい田舎ベストランキング」で(人口1万人未満)1位になった浪江町。今、住んでいる人のおよそ3割が移住者です。充実した支援制度のもとで移住して会社を立ち上げる人も増えています。

移住し起業した「エゴマン」こと緒形亘さん(31) 「震災と原発事故があって本当に様々な課題がある。自分のやりたいこととその課題をマッチングして仕事ができるということだと思っている。課題がたくさんある=仕事のチャンスがたくさんある」

 原発事故から13年、町は大きく変わろうとしています。

東京からUターン 和食店経営 黒坂千潮さん(46) 「(復興について)少しずつ人口も増えてきているし町の様子も変わってきているので、期待を含めて長い目で見ていこうかな」

千頭数也さん 「(復興について)除染がけっこう進んでいることもあり、いろいろな取り組みがある」

 次世代のエネルギーとして期待されている水素。一般の家庭で利用する実験が行われています。巨大な水素製造施設もあります。

 全国に先駆けた「水素タウン」を目指していますが、それだけではありません。国際的な研究拠点が去年、設立され500人もの研究者が集まる計画です。

浪江町 吉田栄光町長 「(移住者増加の理由は)復興に将来のビジョンをもってチャレンジをしている。そのチャレンジに共鳴をする若い世代が多くいると思っている」