10日に静岡側も入山規制が解除された富士山。今年は例年以上に登山に注意が必要となりそうです。

■富士山静岡側山開き 今年は注意?

登山客 「去年から(登山の)練習してきたので頑張ります」

 日本の象徴である富士山。静岡県側も山開きを迎え、本格的な登山シーズンに突入しましたが…。

上級登山インストラクター 栗山祐哉さん 「富士山は“リスクが高い山”」

 専門家は山開き直後の富士登山に警鐘を鳴らします。

 10日に山開きを迎えた富士山の静岡県側の登山道。中にはこんな人も…。

“ミスター富士山” 實川欣伸さん(81) 「6年連続で200回以上登りました」

 御年81歳の實川さんは富士山に2000回以上、登頂し、「ミスター富士山」として知られています。

“ミスター富士山” 實川欣伸さん 「きょう平日でも(登山客が)例年に比べて多く感じました。日本の国民のどんな方でも平等に登れる山になってもらいたい」

 山梨県側の吉田ルートは今月1日に山開きしているため、これで静岡県側を合わせた富士山の主な4つのルートから登山することができます。今年は…。

“ミスター富士山” 實川欣伸さん 「山梨県側は通常より(登山客が)減る一方で、他の(静岡県側の)ルートはこれまでより増える可能性」

 というのも、山梨県側では今年から登山者数を一日あたり4000人までに制限し、2000円の通行料を徴収するなどの登山規制を行っているからです。

登山客 「(Q.富士宮ルートを選んだ理由は?)向こう側(山梨県)だと2000円払って予約しないと。こっちは予約しなくていい」

 静岡県側は人数制限しませんが、弾丸登山などを防止するため事前に日程などを登録する「入山管理システム」を導入しました。

■富士山なぜ 事故相次ぐ?

 一方で、不安の声も聞こえてきます。

登山客 「悲しい話ですし、我々も気を付けなきゃいけないなと」

 8日夜、吉田ルートの8合目付近で中国籍の58歳の男性が意識を失い、その後、死亡が確認されました。

 先月末には富士山の火口付近で3人が倒れている状態で見つかり、いずれも死亡しました。

■山開き直後は危険? 専門家警鐘

 なぜ、富士山で事故が相次いでいるのでしょうか。専門家は…。

上級登山インストラクター 栗山祐哉さん 「(山での)死亡事故は転滑落、低体温症、病気による突然死、3つが大部分を占める。(特に)病気に関しては標高が高いので、富士山は“リスクが高い山”になる。登山者が初心者の方が多くなり、事故が起きているという傾向にある」

 そのうえで、山開き直後は特に注意が必要だと指摘します。

上級登山インストラクター 栗山祐哉さん 「日常的に登山していない方こそ“歩くスピードが速すぎる傾向”。ゆっくりしたペースで淡々と歩き続けていただいて、(富士登山は)身体に負荷が掛かる、酸素濃度が薄いことを十分、理解する必要がある」