新潟県の「佐渡島の金山」が世界文化遺産として登録されることが決まりました。悲願達成に、地元は喜びに沸いています。

■「佐渡島の金山」世界遺産 登録決定

ユネスコ世界遺産委員会 「採択されました」

 ついに、新潟県の「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録されました。

 この歴史的瞬間を、涙し見守る人もいました。

 喜びは新潟市でも。

市民 「海外や県外から色んな人が佐渡に来て、新潟をすごく盛り上げてくれたらうれしいなと思っている」

 世界遺産登録までには長い道のりでした。

佐渡を世界遺産にする首都圏の会 「今年は長崎」

 佐渡島の金山は、4年連続で国内推薦候補から落選。

 2年前、ついに日本からユネスコに推薦する場所として佐渡島の金山が選ばれましたが、不備を指摘され、世界遺産の登録は見送りとなっていました。

 また、登録にあたっては委員国の全会一致での決定が慣例となっていますが、委員国の一つとなっている韓国が「朝鮮半島出身者の強制労働があった」として反発していました。

 そのため、日韓両政府は話し合いを続け、韓国政府は26日、「日本が展示の中で歴史全体を反映すると約束した」ことなどを理由に「韓日間で合意に至りつつある」と明らかにしていました。

 「佐渡島の金山」は能登半島の先端からおよそ100キロ離れた場所にある、日本海最大の離島・佐渡島にあります。

 広さは東京23区のおよそ1.4倍。大自然に囲まれ、街並みは木造建築も多く、古き良き日本の風景を感じさせてくれます。

 金山は江戸時代から平成元年までに採掘されていて、およそ400年で78トンが産出されています。現在のレートで換算するとおよそ1兆円にもなります。17世紀における世界最大の金の生産地です。

 また、最大の特徴はその規模で、これまで掘り進められた坑道はアリの巣のように広がっています。その長さはおよそ400キロで、佐渡から東京までの道のりに匹敵します。

佐渡を世界遺産にする会 斎藤本恭さん 「ここの鉱山のシンボル、道遊の割戸です」 「(Q.道遊の割戸とは?)山頂の露頭に見えていた金を掘り進んでいった結果、こういうふうに割れた」

 一方で、佐渡には金山以外にも魅力的なスポットが多くあるといいます。

佐渡観光交流機構経営企画室 山本尚代室長 「佐渡島は海流が入り交じって四季に富んでいる島です。北前船の文化的な流れもあって様々な文化が融合したなかでの歴史や文化、今なお続いている伝統芸能が残っていて、実際に江戸時代に生きていた方々と同じものを目にしているというようなロマンを感じながら実際に楽しむことができるのではないか」

 これで日本の世界遺産は、文化遺産と自然遺産合わせて26件になりました。