パリオリンピック・トライアスロンの水泳競技の公式練習がセーヌ川の水質悪化で中止となりました。

 パリのセーヌ川では28日午前8時から、オリンピック・トライアスロンの水泳競技の公式練習が予定されていましたが、前日までの降雨による水質悪化によって実施の基準を満たさず中止となりました。

 101年間、遊泳禁止となっているセーヌ川では、オリンピックでの競技実現に向けて約14億ユーロ、日本円で2300億円以上をかけて新たな浄水施設や雨水の貯水槽を整備するなどして水質改善を進めてきました。

 しかし、大雨が降ると下水管があふれてセーヌ川に直接流れ込む問題があり、6月は28回の水質調査をして競技実施の基準を満たしたのは3回だけでした。

 7月に入って晴れの日が続いたため基準を満たす日が多く、17日にはイダルゴ・パリ市長や大会組織委員会のエスタンゲ会長らがセーヌ川を泳いで水質改善をアピールしていました。

 トライアスロンの本番は今月30日から始まりますが、大会組織委員会は「天気予報を考慮すると競技開始までに水質が基準を満たすと確信している」と声明を出しました。

 もし、競技実施の基準を満たさず数日延期しても改善しない場合は、水泳競技を中止し、陸上競技と自転車競技のみの「デュアスロン」に切り替えて開催する予定です。