28年越しの悲願達成から一夜…。世界遺産への登録が決まった佐渡は早速の賑わいです。島に泊る人の数は38万人に増えるとの試算もあります。

■“28年越しの悲願”さっそく佐渡に賑わい

(池田藍子記者)「世界遺産登録となった“佐渡島の金山”です。一夜明けて、多くの観光客で賑わっています」 この日、「佐渡島の金山」の坑道などを見学できる施設には、いつも以上の観光客が訪れていました。 (観光客)「世界遺産になったのは本当にすごいなと思った。おめでたいなと思って」 「当時の人力でここまでやったのはすごいなと思います」 世界遺産登録を目指す活動が始まって28年。ついに悲願が叶いました。 (佐渡を世界遺産にする会斎藤本恭さん)「ここの鉱山のシンボルの“道遊の割戸”です。山頂に見えていた金を(人力で)掘り進んでいった結果がこういうふうに割れた」 江戸時代の初期から手掘りでの開発が始まり、坑道の総延長は、約400キロ。最も深いところは海面下530メートルに達しています。 (佐渡を世界遺産にする会斎藤本恭さん)「ここからも掘る、ここからも掘る、ここからも掘るで、地中でずれることが多いかと思うんですけど、一つに間違いなく、つながったという、その測量技術ですよね」 「佐渡島の金山」の最大の特徴は、江戸幕府の鎖国政策のもとで、この人力による独自の鉱山技術を発展させ、大量かつ高品質な金を生産した点です。 佐渡市は、世界遺産に登録されることで、島内の年間宿泊者数が、今の32万人から、38万人に増えると試算しています。金山近くの町では、観光客受け入れの新たな取り組みも始まっています。 (株式会社相川車座雨宮隆三さん)「古民家を使ったホテルなんですけど、全部で4つの古民家をそれぞれ客室に直しました」 町内に点在する空き家となっていた古民家を活用。地域全体をホテルに見立て、金山町の魅力を体験してもらおうというものです。 (株式会社相川車座雨宮隆三さん)「金山ができたら(当時)5万人、住んだ町なんですけど、やっぱり人口も減ってきているんですよ。この町の中にある、いろんな飲食店とか、街並みとか、古い“佐渡おけさ”に代表されるような伝統芸能とか、本当に町人になったつもりで楽しんでもらえるような、そんなホテルを目指していきたいなと思っています」

7月28日『サンデーステーション』より