9日午後7時57分ごろ、神奈川県西部を震源とする最大震度5弱の地震が起きました。

8日の地震で南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』が初めて発表されましたが、9日の地震は南海トラフとは別の地震だと専門家はみています。

相次いだ地震で、お盆休みに入る人々の足に大きな影響を及ぼしています。

■東海道新幹線 再開もダイヤ乱れ

最大震度は厚木市などで観測された5弱。震源は神奈川県西部で、震源の深さは13キロ。地震の規模を示すマグニチュードは5.3と推定されています。

すぐに影響が表面化したのが東海道新幹線。JR東海によると、上りは浜松駅と東京駅の間、下りは東京駅と三島駅の間で一時運転を見合わせました。停電となっているのは、地震防災システムが作動し、安全確保のため送電が停止されたからとみられます。

静岡に向かう男性 「新幹線が1時間遅れなので時間をつぶしている。動くことが分かっているので気は楽。バスの車内で警報が鳴って、神奈川で地震かとびっくりした」

新幹線は午後9時から順次運転を再開しましたが、列車によっては、最大1時間以上の遅れが出ています。

鉄道だけではありません。東名高速では、厚木インターと伊勢原ジャンクションの間などで通行止めも発生しました。

10日から3連休。地元に帰省する人も多い、金曜日の夜を襲った地震。そして、忘れてはいけないのが、8日に南海トラフについて『巨大地震注意』が発表されたばかりです。多くの人の頭をよぎりました。

女性 「南海トラフが来ると聞いていたので、それだと思っていて、ちょっと怖いなというか。新幹線も動くのかどうか。飛行機に今週乗る予定があるが、それも動くか怖い」

静岡に向かう男性 「静岡も気を付けないといけないなと。(Q.警戒感は)かなりありますよ。うちは海岸から離れているが、津波がきてもおかしくない場所だから」

■南海トラフ想定震源域近く…関連は

地殻変動や地震のメカニズムが専門の京都大学防災研究所の西村卓也教授に聞きます。

(Q.8日の地震と9日の地震に関連はありますか)

西村卓也教授 「関連性は考えにくいです。南海トラフの震源域も、神奈川県もフィリピン海プレートが潜り込んでいるという意味では共通しています。ただ、間にある伊豆半島はあまり地震が起こらない場所と知られています。伊豆半島の西側と東側が連動して地震が起こった例は過去にないので、直接的な関係はないと思います」

(Q.今後、どんな心構えをしておけば良いですか)

西村卓也教授 「今回の地震と同程度、最大震度5弱になるような地震は、今後1週間程度は注意する必要があります。南海トラフ地震が起こる可能性は8日と変わっていないので、普段の生活続けつつも、地震に対する備えを改めて見直す。関東の方は想定震源域から離れていますが、南海トラフで大きな地震があると、強い揺れや津波が押し寄せる可能性もあるので、改めて避難経路の確認などをしていただきたいです」

(Q.南海トラフ地震臨時情報『巨大地震注意』が発表されて1日が経ちました。南海トラフで注目すべき活動はありますか)

西村卓也教授 「地震活動としては余震が続いていますが、それは通常の余震活動と大きく変わる点はありません。1つ注目されるのは、日向灘の沖合で“スロー地震”と呼ばれる、ゆっくり揺れる地震が活発化しているという報告がいくつかあることです。ただ、南海トラフとの関連性はよく分かっていないので、8日と状況が変わっている状況ではありません」

(Q.日常生活を大きく変える必要はないですが、より一層注意の度合いを高める。日頃の備えを確認することが大事ということに変わりはありませんか)

西村卓也教授 「そうですね。まだ6日程度は注意を続けていく必要があると思います」