NHKのラジオ国際放送で中国籍のスタッフが「尖閣諸島は中国の領土」などと不適切な発言をした問題で、この男性と見られる人物が香港のテレビ局に記者として出演していたことが分かりました。

 NHKはこの40代の中国籍のスタッフらしき男性が香港のフェニックステレビで少なくとも4年前から20数回に渡り、記者としてリポートしていたことを確認したと公表しました。

 中国が強く批判していた福島第一原発の処理水放出などについても報じていたということです。

 NHKは今回の不適切な発言が発覚するまでこのことを把握できていなかったということです。

 一方でこのスタッフはNHKの取材情報などにアクセスする権限はなく、非公開の情報が流出したことはないと説明しています。

 男性は22年間、国際放送で働いていましたが、NHKの関連会社は21日付で契約を打ち切っていて、NHKは今後、損害賠償の請求や刑事告訴も含め対処するということです。

 NHKは今回の問題について「安全保障の意識が欠けていたことが原因だった」とコメントし、井上副会長をトップとする対応チームを立ち上げ、原因究明などにあたっています。