台風10号が、ゆっくりと北上します。今回の台風、強さもさることながら、スピードの遅さも、気をもむ原因の一つになっています。

気象庁は、午後3時や9時といった6時間に1度、大きく情報を更新し、“一つ先のメド”を立て、発表しています。

気象予報士歴25年・原田健成予報士 「きのうのこの時間に比べると、丸1日ぐらい遅くなってきている。なかなか、北上のスピードがあがらない。先週末は、関東ぐらいに進んで、関東が危ないという予報だった。その次の日になると、名古屋方向にいくと。次の日になったら、今度は近畿から四国。フタ開けたら、あれ九州?さらに九州の西側?という。日ごとに、これだけ変わるのは珍しい」

長期化する台風10号の影響は、遠く離れた三重県鳥羽市の観光ホテルにも深刻な影響を及ぼしていました。

28日に入っていた団体客の予約が、急きょ、キャンセルになりました。

戸田家・加藤直広支配人 「寂しいですね、当然。安全を考えてのことですから、こればかりは。ゆっくりした台風なので、だんだん広がりが出てきていますけれど、恐らくきょう、あしたで、さらに、キャンセルが大きく、もっと被害が出るのではないかと」

キャンセルは、300組以上、売り上げの損失は、すでに2000万円を超えています。

戸田家・寺田順三郎社長 「きょう辺り、当初の予定では、台風の直撃の予定ですけれど、青空も見えるし、結果論ですけれど、人の命の安心・安全のためにいたしかたない予報だと思うけれど、我々、観光地での旅館としては、非常につらい思いになります」

8月も最終週。夏休みの予定がある人もいます。新宿で聞きました。

20代・大学生 「(Q.どこへ行かれる)石垣島に行きます。飛行機が飛ばなくなっちゃたら、せっかく楽しみにしてたのに、中止になっちゃうので残念」

岐阜から東京に観光で来ていた男性は、急きょ、29日に帰ることにしたそうです。

岐阜からの観光客 「1週間が4日に縮小。スカイツリーとか、王道の観光スポットに行きたかったなと」

音楽フェスに参加予定の人 「『SWEETLOVESHOWER』に、山梨に行こうと。夏フェスです。一応、まだ中止の連絡は出てないので、多分、あるんじゃないかと」

富士山に登山予定の人 「私は、土日で富士山に初めて登ろうとしている。(Q.登山グッズ揃えた)全部、買いました。リュックとか服とか帽子とか。5万円は買いました。心配。予定が、一日、何にもなくなっちゃうので」

千葉県幕張メッセで開催予定だった『JapanTransNations2024』は、海外アーティストの来日が危ぶまれることや、観客の安全を考慮して、中止を決定しました。

9月1日に、千葉県の浦安市で結婚式を予定している人もいます。

1日に結婚式の人 「日が近づくにつれ、台風が遅くなって、のろのろと動いて。このままだと、新婦の両親が外国にいるために、飛行機のフライトが大丈夫なのかなって、非常に心配してる」

現時点で、9月1日は、台風10号が千葉県に接近する可能性があります。新婦の実家は韓国のため、両親と弟がソウルから訪れる予定です。

1日に結婚式の人 「(Q.家族は来られそう)来ないと困ります。親のためにやるものなので。大丈夫だと信じたいです」

台風が接近すれば、石川県は、震災後、初の台風と向き合うことになります。

発生直後から活動を続けている災害ボランティアチーム。台風を前に、依頼が増えているといいます。

珠洲市の住民は、仮設住まいのため、家財を置く場所がないそうです。

災害復旧支援ボランティア チームふじさん・藤野龍夫代表(72) 「中に、まだ家財があるので、雨から守りたい」

半壊状態の住宅に、戻ってきた住民。

珠洲市の住民 「雨漏りひどいです。なかなか瓦屋さんが来てくれないので、どうしようかと悩んでいた」

通りかかった藤野さんが、屋根にシートをかける作業を申し出ました。

災害復旧支援ボランティア チームふじさん・藤野龍夫代表(72) 「能登瓦は、特に風に弱いというか。“ひっかけ”だけで(固定)しているので、持ち上げられやすい。(台風が)来るのを予想して、早めにやっています」