ウクライナ軍がロシアのクルスク州への越境攻撃を続ける一方、ウクライナ東部の要衝にロシア軍が迫っています。

 ゼレンスキー大統領は28日、ビデオ演説の冒頭、東部・ドネツク州ポクロフスク周辺の状況について「極めて困難だ」という認識を示しました。

 ポクロフスクは東部の重要な輸送拠点で、ロシア軍は攻略のために有力な部隊をこの戦線に投入し、攻勢を強めています。

 アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は28日、ロシア軍がポクロフスク方面へ大きく前進したと分析しています。

 ウクライナ政府は19日にポクロフスク周辺の子どもを持つ世帯に避難命令を出していますが、ドネツク州知事によりますと、29日現在、約1900人の子どもを含む3万8000人がとどまっているということです。

 住民の避難を急ぐとともに地域の銀行も来週以降、ATM以外の営業を取りやめるなどロシア軍の接近に備えています。