九州では今も約8万軒で停電が続いています。熱中症の警戒が高まっています。

■台風10号“最接近”静寂の高知

 台風が遠ざかっても生活への影響は続いています。

地元商店 「停電が(商品の)傷みが。本通りだからすぐ電気も来るかなと思っていたが、なかなか来ないので」

 鹿児島県で約7万5000軒、九州で8万軒の住宅が停電しています。男性の家は29日の明け方から30時間以上、30℃近い暑さのなかでです。    住民 「夜が暑いですね。いざとなるとめっちゃ不便ですね」

 台風による死者も出ました。福岡県の築上町。穏やかな川に架かる赤い橋は半分が消失しました。橋脚ごと濁流にのみ込まれたとみられます。

 30日朝、この川の下流で男性の遺体が見つかりました。29日、川の様子を見に行ったまま行方不明になっていた男性の可能性があり、身元の確認が進められています。

 台風10号は九州を離れ、ジョギング並みの速度で四国付近を進んでいます。30日夜から31日にかけて再接近する高知。すでに荒れています。

 高知市では、わずか一日で平年の8月に降る雨の3分の1を超えています。観光どころではありません。商店街は静まり返り、高知駅を発着するすべての列車が運休となりました。    観光客 「JRの切符を払い戻しに。(旅行は)無理かなと思ってキャンセルしました」

 心配なのは川の増水です。山口市の仁保川は時間を追うごとに水位が上昇。氾濫の危険が高まっています。

■離れた静岡でも大雨 避難指示も

 静岡県沼津市の住宅街を流れる川は変わり果てた姿に。台風から離れた場所でも記録的な雨が降っています。

 大雨警報が出された熱海市。24時間雨量が観測史上1位となり、住民に避難指示が出されました。

 これが住宅街の普段の様子です。静岡市はこの4日のうちに平年8月の1カ月に降る雨の3倍が降り、冠水する被害が相次ぎました。

 住民は大変な生活を強いられています。

住民 「困るのは、排水がうまくいかない。連続で大雨が降っている感じ。すごく降る時もあればやんでる状態もある」

 静岡県では30日夜から線状降水帯が発生する恐れがあり、厳重な警戒が必要です。