12日に告示される自民党総裁選。小林前経済安保担当大臣、石破元幹事長、河野デジタル大臣に続き、この先1週間は立候補の表明が相次ぐ“出馬ラッシュ”となる見通しです。3日は、6つの閣僚ポストを経験した、政権ナンバー2の林官房長官が出馬を表明しました。

■小泉氏「私が総理になった暁には…」

告示まで10日を切り、それぞれ精力的に動いています。

東京都内の介護施設を視察した小泉元環境大臣。

小泉進次郎元環境大臣 「私が仮に総理総裁になった暁には、しっかりと経済対策を指示・検討して物価高、介護職員の皆さんの待遇改善にもつなげていきたい」

■河野氏「デジタルで子育て支援」

子育て支援施設を訪れたのは、出馬を正式表明した河野デジタル大臣です。

河野太郎デジタル大臣 「デジタルでもっと両親の負担を軽減できるものはある。シングルマザーを正規雇用してくれる企業に対して、国がなんらかの支援をしていくのが大事になってくる」

■「政界の119番」6つの閣僚経験

4人目の立候補表明となったのが、現職の官房長官・林芳正氏です。世代交代や刷新感を求める声が上がるなか、強調したのは「経験と実績」でした。

林芳正官房長官 「刷新感あったけど何もないうちに消えちゃったではいけない。刷新をしっかりやっていくために経験や実績、十分に使っていきたい」

保守王国・山口で3代続いた政治家一族に生まれ、参議院議員を5期務めた林長官。バンドマンの横顔も持つ一方“政策通“として知られ、6つの閣僚ポストを経験しています。

しかも不祥事などによる緊急登板が多く、農水大臣には、前任者の政治献金問題を受け、わずか5カ月で復帰。誕生日が1月19日であることも相まって、ついた異名が“政界の119番”。去年、官房長官に就任した際も、松野前長官の裏金問題が理由でした。

■政治とカネ「交付金を見直す」

その政治とカネの問題については…。

林芳正官房長官 「透明性を上げる。そしてグレーゾーンをなくしていく。このことが大事であると思っている。政党交付金の国会議員への配分、これを見直してパーティーの収入への依存度を減少させたい」

派閥との関係についてはどうなのでしょうか。林長官がナンバー2の座長を務めた岸田派は3日、政治団体の解散届を総務省に提出しました。ただ、40人近くとみられる林陣営のほとんどは岸田派に所属していた議員です。

林芳正官房長官 「一緒にやってきた、この関係というのは宏池会(岸田派)が派閥としてなくなっても続くものだ」

ベテラン議員は…。

自民党ベテラン議員 「林さんが出ないと岸田派が草刈り場になってしまうから出たんだよ」

旧岸田派幹部 「今回は2位に入るのは難しいが、来るべき次に向けてしっかり固めておくということ」

■衆院“くら替え”で2度目の挑戦

参議院議員時代に総裁選に打って出てから12年。参議院議員が総理になった例はなく、衆議院に鞍替えして再び挑戦します。

林芳正官房長官 「『仁』の政治を行っていきたい。仁とは国民の皆様に対する慈しみ、思いやりという意味だそうでございます。こういう志でもって、しっかりと政治を行ってまいりたいと思います」