米不足の影響が拡大しています。米製品の原料が変わる事態に。

 埼玉県の草加市民が愛してやまない「草加せんべい」。

草加市民(50代) 「お手頃な価格で食べられたのが高くなってしまうのは、草加市民としてはちょっと不安」

 草加せんべいの原材料は全国で不足している“米”です。

いけだ屋 池田彰社長 「去年の秋口から徐々に、お米の値段自体は上がってきていた。また米不足でもう一段階上がって、もう泣きそうですよ」

 創業159年の老舗草加せんべい専門店では米の値上がりに困惑していました。

いけだ屋 池田彰社長 「うちの米蔵ですが、今は月初なのでそこまで少なくはないが、ない時は空の時もあった」

 直近の注文では、次の入荷日までの必要量はなんとか確保することはできましたが…。

いけだ屋 池田彰社長 「去年の新米の時期と比べると値段が倍近くになっている。嘘でしょって言ったけど嘘じゃなかった」

 そのため、今まで使わなかった米も使い始めました。

いけだ屋 池田彰社長 「特定米穀というものを使って、おせんべいの生地にする」

 「特定米穀」、いわゆる「くず米」は粒が小さく、色も白く濁っているのが特徴です。一般的には安いはずの特定米穀でさえも今、高騰しているといいます。

亀田製菓 経営企画部 佐藤忠信マネージャー 「当社のおせんべいには特定米穀を『ハッピーターン』や『ソフトサラダ』に多く使っているので、影響は非常に大きくなっている」

 人気の「ハッピーターン」などを製造販売する亀田製菓では、ほとんどの商品に特定米穀が使われているため、材料費が高騰。現在、アメリカ産に頼らざるを得ない状況だといいます。

亀田製菓 経営企画部 佐藤忠信マネージャー 「(これまで)国産、米国産の順番で表記されていたが今後、出てくる商品は米国産、国産と順番が入れ替わる」

 草加せんべい店での海外産の米の利用については…。

いけだ屋 池田彰社長 「草加せんべいなので、アメリカ、オーストラリアのお米を使って草加せんべいと名乗るのも、まずいなというのもある。うちは国産米にあくまでも、こだわっていこうと思う」