中国とアフリカ各国が関係強化を図る国際会議が4日から始まりました。中国国内にはアフリカからやってきた人たちが集まる街“リトルアフリカ”があります。中国に何を求めているのか、本音を聞きました。

■深まる関係 貿易額は過去最高

北京から約2000キロ。古くから貿易拠点として栄えた大都市・広州にある“リトルアフリカ”には一時、数十万人ともいわれるアフリカ系の人たちが滞在していました。ここにいるほとんどが、ビジネスのためにやって来た人たちです。

ギニアから来た人 「(Q.どこから)ギニアから。ビジネスで。(Q.中国の暮らしは)グッド」

ブルキナファソから来た人 「ビジネスのために来ました。6カ月前です。これを国に送り返します。靴とか服とか色んなもの」

中国とアフリカの貿易額は伸び続け、今年1月から7月の貿易額は過去最高。15年連続で中国はアフリカ最大の貿易相手国と、もう切っても切れない関係です。

そんな中国とアフリカの関係をアピールする場『中国・アフリカ協力フォーラム』が北京で開幕しました。2018年以来となる首脳会議には、アフリカの53の国のトップらが顔をそろえます。

■苦言も出るなか 国際会議始まる

対アフリカ投資が今後どうなるのか。習近平国家主席が5日に、その方針を発表します。中国はアフリカへの融資や投資と引き換えに、中国製品のさらなる輸入を求めてくるのではないか、とみているところもあります。

習近平主席と会談した南アフリカの大統領からは、こんな苦言が飛び出ました。

ラマポーザ大統領 「両国の貿易は増加していますが、南アフリカの貿易赤字を縮小し、貿易構造を改善したい。より持続可能な製造環境と雇用を生む投資に取り組んでいただきたい」

これまで融資を受けて走り出したものの、計画の縮小や頓挫で債務返済が困難になる国もありました。中国型支援は“曲がり角”という声も聞こえるなかで、中国もそこを意識する路線に切り替えるようです。

例えば、ザンビアの銅生産拠点とタンザニアの港をつなぐ『タンザン鉄道』。改修にかかる資金を、今後数年間にわたって投じるのと引き換えに、鉄道の商業運営の権利を中国の国有企業に与えることで合意しました。

立命館大学国際関係学部 白戸圭一教授 「今回はアフリカの国が返せるような形の融資をしていく。中国経済がアフリカでやけどをしてダメになってしまう。そういう意味で今までのようにたくさんのお金を流し込むのではなく、質の高いプロジェクトにお金を出して、それを回収していく。そういうことを考えているんじゃないか」

■“リトルアフリカ”の本音

4日から始まった『中国アフリカ協力フォーラム』を見守る人がいました。リベリア人ビジネスマンのプラットさん(34)。プリンターなどを買い付けるため、広州市を訪れています。今回の滞在で、1万ドルほどの商談をまとめる予定です。

リベリアのビジネスマン プラットさん 「中国のビジネスマンは明快。話をよく聞くし、問題解決の意識が高い。迷った時もニーズを見極めてくれます」

中国のアフリカ進出についてはビジネスマンらしい答えが返ってきました。

リベリアのビジネスマン プラットさん 「中国のアフリカ進出は“タダ”ではない。これはビジネスです。政治的に『祖国に弊害がある』と感じないかぎり、悪い影響は見当たりません。中国とより関係を深めてほしい。リベリアはインフラ開発を必要としているし、中小企業の若い実業家が潤う必要もあります」

立命館大学国際関係学部 白戸圭一教授 「アフリカの国々はどこの国も自国の利益を最大化するために、その時その時、中国とうまく付き合ったり、アメリカと付き合ったり、フランスと付き合ったりということをリスクヘッジしてるという。新しい大きなお金を出してくれるプレーヤーが1つ増えたというとらえ方」