ガザ地区で地域を限定した一時的な停戦をして感染症ポリオのワクチン接種が進むなか、イスラエル軍が対象地域の一部に医療関係者の立ち入りを禁止していたことが分かりました。

 パレスチナの保健省は5日、ガザ地区南部で実施された子どもへのポリオワクチンの接種の際に、一部地域に医療関係者が入れなかったと発表しました。

 ガザ保健省の医療担当者はANNの取材に対し、事前に許可を得ていたにもかかわらず、イスラエル軍がこの地域をハマスが活動しているレッドゾーンに指定していたため立ち入りを禁止されたと訴えました。

 この地域はワクチン接種の対象となる子どもたちの割合が特に多いとしています。

 また、レッドゾーンに指定されていないハンユニスでも医療関係者が入れない地域があったと明かしました。

 WHO(世界保健機関)を通じてイスラエル軍と調整を進めていますが、「この地域に入れないと災害レベルでポリオの感染が拡大する」と危惧しました。

 ガザ地区では衛生環境の悪化で25年ぶりに感染が確認されるなどポリオ蔓延(まんえん)に危機感が高まっていて、地域を限定した一時停戦をしてワクチンを接種する取り組みが始まっていました。

 中部から始まり、南部では5日に初日を迎えたばかりでした。