宮城県石巻市の下水道工事をめぐる官製談合事件で、市の職員ら3人の初公判が仙台地裁で開かれいずれも起訴内容を認めました。検察側は冒頭陳述で、職員と土木会社の元社員は持ちつ持たれつの関係だったと指摘しました。
官製談合防止法違反の罪などに問われているのは石巻市下水道建設課の職員、星洋一被告(51)と寺内友和被告(47)です。入札妨害の罪に問われているのは遠藤興業の元執行役員、遠藤光弥被告(68)です。
起訴状などによりますと星被告と寺内被告は2023年2月、石巻市発注の下水道工事をめぐり最低制限価格の算定に使う設計書の写しを遠藤被告に渡して、入札に関する秘密を漏らし公正を害した罪に問われています。 5日の初公判で3人は「間違いありません」などと起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で「星被告は、工事の共同企業体に入っている遠藤興業が受注すれば調整が円滑に行われ自分たちの負担が減ると考えた」とした上で「寺内被告とともに遠藤興業の事務所に出向き設計書を渡した」と指摘しました。
遠藤被告については「設計価格を漏らすよう依頼した」と述べ、両者が持ちつ持たれつの関係だったと主張しました。