真空に近いチューブ内を時速1000キロメートル以上で輸送することを目指す次世代鉄道「ハイパーループ」の走行テストにオランダの企業が成功したと発表しました。

 オランダにある「ヨーロッパ・ハイパーループ・センター」で9日、「ハイパーループ」の走行テストが行われました。

 「ハイパーループ」は2013年にアメリカの実業家、イーロン・マスク氏が提唱した、真空に近く空気抵抗が少ない状態のチューブ内を車両が移動する次世代鉄道で、自動車や航空機と比べてエネルギー消費や二酸化炭素の排出を大幅に減らすことができるとされています。

 理論上、時速1000キロ以上で走行することが可能で、基本的な技術仕様などが公開されていて、各国の企業が開発を進めています。

 9日に走行テストをしたオランダの企業は、今回は時速30キロにとどまりましたが、今年末までに時速100キロの実験を行い、2030年までに客を乗せた運行開始を目指しています。

 600キロ以上離れているアムステルダムとベルリンの間は現在、鉄道で6時間以上かかりますが、「ハイパーループ」が実現すれば1時間半で結べるということです。