秋の味覚サンマは北海道で豊漁となっていますが、宮城県にもその恩恵は届いているのでしょうか。

 サンマは長く不漁が続いてきましたが、日本一の水揚げ量を誇る北海道根室市の漁港では大漁になりました。

 日本から比較的近い海域に漁場ができ、サンマが大きかったことや大型船が出漁できる日を10日間前倒ししたことなどが挙げられます。

 8月下旬にサンマの水揚げが始まった宮城県気仙沼市では、9月末までの水揚げ量は約411トンで、約337トンだった前年を2割ほど上回りました。

 市場での取引価格は1キロ当たり平均で572.6円と前年と比べ20円ほど下がっています。

 ただし、水揚げ量には北海道ほどの伸びはなくピークの2018年に比べると6分の1以下です。

 10月はサンマ漁船がまだ入港しておらず、3日朝も水揚げしたサンマを入れる青い箱が空のまま並んでいました。

 気仙沼漁業協同組合臼井靖参事「最盛期を迎える時期ですが、ここ数年数量的には少なくなってますので、状況的には厳しいのかなと思いますね」

 専門家は、サンマの今の漁場は北海道の沖合で宮城県の港に水揚げするには時間とのコストがかかると指摘します。

 水産研究・教育機構水産資源研究所巣山哲主幹研究員「遠い所に行くとエンジンを回すための油代がかかりますので、港になるべく早くなるべく近い所に入港して水揚げをしたい」

 一方、サンマの単価は北海道に比べて本州の方が高く、コストを上回る金額が見込めるのであれば宮城県にも入荷します。

 この先、サンマの漁場は南に移ってくる予測で宮城県の漁港の水揚げも増える見通しです。

 水産研究・教育機構水産資源研究所巣山哲主幹研究員「良いサンマが揚がる時期はそんなに長くないだろうと。ですから、良いサンマを店で見掛けたら、チャンスを逃すことなく食べていただきたい」