地上戦が激化しています。激しい銃撃戦に大規模な爆発も。イスラエルの戦闘はどこまで続くのでしょうか。外報部デスクに聞きました。

■イスラエルの“報復” 地上戦激化

 レバノンの首都・ベイルートです。夜も、そして昼も、イスラエルによる攻撃が続いています。

 イスラエルは、イスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点に対する「精密攻撃」だとしています。ただ、民間人が被害を受けています。

住民 「午前3時に子どもたちを車に乗せた。きちんとした服を着る時間もなかったし、何も家から持ち出せなかった。子どもたちを連れて交差点まで来た時に爆発音を聞きました」

 レバノンの保健省によると、首都ベイルートの中心部で3日未明にあった攻撃では少なくとも5人が死亡し、8人が負傷したということです。

 各国は市民のレバノンからの避難を進めています。

避難した人 「戦闘機が市民やビルを爆撃している。きのうは8階建てのビルを爆撃し、がれきに変えました」

 日本も国外退避に備え、航空自衛隊の輸送機を周辺国へと派遣しました。

 イスラエルは、今月1日からレバノン南部への地上侵攻も始めています。

 これはイスラエル軍が公開したその様子です。

 そして2日、イスラエル軍はレバノン南部の村でヒズボラの戦闘員との銃撃戦に参加した特殊部隊の隊員全員が死亡したと明らかにしました。

 他の戦闘とも合わせ、これまでに兵士8人が死亡しています。

イスラエル ネタニヤフ首相 「レバノンで倒れた英雄の家族に心から哀悼の意を表する。彼らの記憶が祝福され安らかに眠ることを願う。我々は、私たちを滅ぼそうとする“イランの悪の枢軸”との戦いのただ中にいる」

 イスラエルメディアは、イスラエルがイランからのミサイル攻撃への反撃として、核施設や石油施設を標的とした攻撃を検討していると報じています。

 最大の同盟国、アメリカは支持するのでしょうか。

アメリカ バイデン大統領 「答えはノーだ。イスラエル側とどう対応するのか話し合う予定だ」

 イスラエルによるガザへの攻撃ではこれまでにパレスチナ人4万1000人以上が死亡しています。

 ガザに加え、イエメン、レバノン、そしてイランも。

■拡大する戦線 戦闘はどこまで?

外報部 伊従啓デスク 「イスラエルがイランに対して反撃を行う可能性は非常に高い。問題となるのは反撃の規模。その反撃が3倍返し、5倍返し、10倍返しと大きくなれば、緊張感はさらにエスカレートしていくことになる。アメリカやヨーロッパ諸国がイスラエルに対しては、この情勢を悪化させないようにという圧力はこの1年間ずっとかけている。ネタニヤフ政権に対してグリップが全く効いていない状態がずっと続いてきているので、いくら圧力をかけてもイスラエルは単独でやる時はやるというふうになると思う」

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