防衛省は「特定秘密」を巡り、自衛隊で新たに100件以上の不適切な運用が確認されたと発表しました。
防衛省によりますと、人事異動で他の省庁から防衛省に戻ってきた自衛隊員が取り扱う資格を得るための適正評価を受けないまま特定秘密を扱っていた事案などが100件確認されたということです。
一度、適正評価を受けた自衛隊員でも他の省庁への異動の後特定秘密を扱うには改めて適正評価を受ける必要があるということです。
また、特定秘密が含まれる文書1件を受け取った陸上自衛隊員が誤って廃棄していたことなども確認されました。
この隊員は文書の受領書の偽造も行っていて、9月に有印公文書偽造の疑いで自衛隊の捜査機関である警務隊に逮捕されていました。
さらには、おととし10月に陸上自衛隊で特定秘密を含む電子データが共有フォルダに複製されて今年6月まで多数の隊員が閲覧できる状態になっていたということです。
航空自衛隊においては作戦情報の収集を任務とする部隊で、特定秘密を含む打ち合わせの内容を許可なくICレコーダーに録音していたことが確認されました。
防衛省は再発防止策として、情報保全に関する知識を確認する試験を実施するなどとしています。