中国系の動画投稿アプリ「TikTok」をアメリカ国内で利用禁止にする法律についてトランプ次期大統領は発効を一時的に停止するよう連邦最高裁に要請しました。

 アメリカ国内で1億7000万人が利用する「TikTok」を巡っては、中国政府の情報収集に悪用されるといった懸念の高まりを受けて、今年4月、親会社である中国企業がアメリカでの事業を売却しない限り、国内での利用を禁止するという法律が成立しました。

 法律はトランプ氏が大統領に就任する前日の来年1月19日に発効することになっていますが、中国企業側は表現の自由を保障する憲法に違反すると訴えています。

 トランプ氏は27日、連邦最高裁に意見書を提出し、自身が大統領に就任するまで法律の発効を一時的に停止するよう求めました。

 トランプ氏は意見書で法律の賛否を明らかにしていませんが、「TikTok」の規制は憲法が保障する表現の自由を侵害するとの考えを強くにじませ、大統領による中国との外交交渉にも影響を与えると指摘しました。

 そのうえで、新たな政権で政治的な解決策を追求できるよう時間を設けるべきだと訴えました。

 トランプ氏は大統領選で若い世代が利用する「TikTok」を活用したこともあって、「TikTokに思い入れがある」と語っていて、ソーシャルメディアへの政府の規制に消極的な姿勢を示しています。