パイロット2人が乗務前日に規定を超えるアルコールを摂取し航空機の出発が遅れた問題を受け、国土交通省は日本航空に対し業務改善勧告を行いました。

 日本航空は1日、オーストラリアのメルボルン空港から成田空港に向かう航空機に乗務する予定だった機長と副機長の2人からアルコールが検知された影響で、3時間余り出発が遅れたことを明らかにしていました。

 日本航空によりますと、機長らはスパークリングワインを1杯ずつ飲んだ後、ワインボトル3本を注文していたということです。

 これを受けて国交省は27日、日本航空に対して飲酒対策を含む安全確保に関する社内の意識改革などを求める業務改善勧告を行いました。

 国交省には手交のため、日本航空の鳥取三津子社長が訪れたということです。

 17日と18日に日本航空の本社に立ち入り検査をした国交省によりますと、機長は副機長に対して「赤ワインのボトル1本を飲んだことにしよう」と提案し、口裏合わせをしたうえで飲酒量に関して虚偽の説明を行っていたということです。

 また、副機長は過去にも乗務前にアルコールが検知され、乗務員の交代が行われていたということです。

 日本航空は機長らについて厳正な処分を行い、すでに退職したことを明かしたうえで、「お客さまの信頼を損ねてしまったことを極めて重く受け止める」とコメントしました。

 今後は来年1月24日までに国交省に再発防止策を報告するとしています。