旅客機は速度を落とすことができないまま外壁に衝突しました。韓国南西部の空港で旅客機が着陸に失敗して炎上。韓国当局はこれまでに132人の死亡が確認されたと明らかにしました。
■韓国旅客機 着陸に失敗
事故直前の映像。機体はスピードを緩めることなく、そのまま滑走路を走っていきます。よく見ると、機体の胴体が地面をこすっているようにも見えます。
29日午前9時ごろ、韓国南西部の務安(ムアン)国際空港で起きた事故。
目撃者 「ところどころ、ドンドンという爆発音があった。それで事故が起きたと思ったので外に出た」
事故を起こしたのは、タイのバンコクを出発して務安空港に向かっていた「済州(チェジュ)航空」の便。機内には乗客乗員合わせて181人が乗っていました。
韓国国土交通省によると、乗員2人は救助されましが、死者はこれまでのところ132人に上り、さらに増える可能性があるということです。
また、日本政府によると、日本人の搭乗はなかったということです。
■181人搭乗 胴体着陸を試みるも…
事故原因は何だったのか。
韓国メディアによると、機体は一度、着陸をやり直し、2度目に胴体着陸を試みて事故が発生したということです。
また、機体トラブルの原因として、エンジンに鳥が衝突する「バードストライク」が発生し、着陸装置のギアが故障したということです。
確かに、事故現場の映像を見ると、時折、鳥のようなものが飛んでいる様子が確認できます。
バードストライクで着陸装置が故障することはあり得るのでしょうか。専門家は…。
SRC研究所 元日本航空機長 塚原利夫所長 「設計の段階で、ある程度の大きさの鳥まで吸い込んでもエンジンは止まらないように安全な設計はされているが、想定外の大きな鳥が入ってしまうと、場合によってはエンジンの内部が破壊されてしまう。エンジンには電気系統や油圧ポンプなど色々なものが付いているので、こういったものまで故障してしまうと電気が消える。油圧系統が消えれば翼が動かない、車輪が降りてこない。こういったことにつながる」
また専門家は、大事故につながった原因の一つに「胴体着陸の姿勢」を挙げています。
SRC研究所 元日本航空機長 塚原利夫所長 「機首もずっと浮いた状態。操縦室の下の床部分が、できればこれを早く滑走路に接地させて、摩擦によってブレーキ効果を得るということもパイロットの操作として考えても良かったのかなと思う。その結果、速い速度で滑走路の反対側に飛び出していってしまった」