法律で禁止されている肉製品の国内への持ち込みが過去最多となっています。成田空港の検疫所を取材しました。

■空港検疫「禁止品持ち込まないで」

 年末の成田空港。29日も旅に出る人、そして日本へ来た人で混雑していました。この空港の中で緊張感を持って業務にあたる人がいます。空港検疫所の職員です。

 日本では肉類や肉の加工品、果物、そして土や、土が付いた植物などの海外からの持ち込みが禁止されています。伝染病や害虫が国内に侵入するのを防ぐためです。ところが…。

動物検疫所成田支所 中田加七絵さん 「モノの種類もそうだが、全体の(“禁止品”の)量が増えている。一日何十件から、多くて100件以上あったり」

 この日も、持ち込んではいけない「禁止品」が相次いで見つかりました。

ベトナムから来た男性 「ニホンゴ、ダイジョウブ」

 日本に在留しているという男性。ベトナムに一時帰国し、日本に戻ってきたといいます。

検疫 「これは?」 ベトナムから来た男性 「ワカラナイ」 検疫 「見せて下さい。下のやつ多分そうだと思う」

 トランクに入っていたものが次々とカゴに移されていきます。

検疫 「入ってますね」

 見る見るうちにカゴはいっぱい。これ、すべて持ち込めない果物などです。男性は「母親が知らないうちにトランクに詰め込んだ」と説明しましたが、すべて回収されました。

ベトナムから来た男性 「確認していなかったので本当にスミマセン。(回収は)ルールなので問題ない」

 インバウンドの影響もあり、空港で回収される禁止品の数は増加しています。肉類だけ見てみても、今年は10月時点で16万件以上。すでに去年を上回っています。

 花束を持ち込もうとしたのは韓国から来た男性。日本にいる彼女のために用意してきたそうです。

検疫 「こちらの書類がないと日本に持ち込めない。こちらの書類お持ちですか?」

 こうした花を持ち込むには出国前に検査したという「証明書」が必要です。男性はこのルールを知らず…。

検疫 「こちら処分させていただきます。これで検査は終わりになります」

 彼女には「花束の写真を見せる」と話しました。

 この年末年始は日本から海外に旅行する人も増えています。帰国の際には注意が必要です。

動物検疫所成田支所 中田加七絵さん 「海外で(肉類などの)お土産を買ってきたいと思うが、日本に持ち込めずもったいないので、現地で食べて帰ってくるということで持ち込みはしないよう、よろしくお願いします」