中国メディアは、IAEA=国際原子力機関や中国などの専門家が福島第一原発の近海で初めて採取した海水を検査したところ、異常は見られなかったと報じました。

 中国共産党系の機関紙「環球時報」は22日、去年10月に独自に採取した海水を中国の研究機関が検査・分析したところ、トリチウムなどの放射性物質濃度に異常は見られなかったと報じました。

 関連する具体的なデータはIAEAがとりまとめ、後日、公表される予定だということです。

 一方、中国の専門家は環球時報の取材に対して、「一度の検査結果だけでは十分ではない」と強調しました。

 そのうえで、「中国など関係国による独自サンプリングは、IAEAや日本側と比較・検証が可能で、国際的な監視を実施するうえで重要なことだ」と指摘し、今後も長期的なモニタリングを続けていくべきだという考えを示しました。

 福島第一原発の近海で中国側が海水を独自に採取し異常がないと確認したことは初めてで、日本産水産物の輸入再開に向けた動きが加速するかが焦点です。