2025年に任期満了を迎える村井嘉浩宮城県知事は、時に批判を受けながら5期20年目を迎えました。今思う事、6期目の去就など本音を聞きました。

 記者「失礼します。きょうはよろしくお願いします」
 村井知事「よろしくお願いします。お手柔らかにお願いいたします」
 現在64歳の村井嘉浩知事、2025年は知事として5期20年目の年で11月には任期満了を迎えます。

 まず知事としての自己採点を100点満点で聞きました。
 村井知事「クエスチョン。その心はですね、知事になってから言い続けているんですが、私の評価は私が決めることではなく、県民の皆さんが評価すべきことだと思っています。うまくやれたかは分からないですけど、全力でやってきたという自負はありますね」

自己評価は

 宮城県議会議員3期目途中の2005年に知事選に立候補し、初当選した村井知事は就任後みやぎ発展税を導入してトヨタなどの企業誘致を進めたほか、2011年に発生した東日本大震災では災害からの復旧復興にリーダーシップを発揮しました。

 村井知事「(103万円の壁の地方減収で)(国が)補填をするならば当然、恒久的財源、真水で頂くという当然の事だと思っておりまして」
 2023年には全国知事会の会長に就任し、全国の知事の代表として国に要望を行うなど活動の幅を広げています。

 多忙を極める村井知事。この日の昼食として秘書が持ってきたのは、バナナとプロテイン飲料です。
 記者「バナナだけなんですね」
 村井知事「私ね、胃腸が強くないので、お腹痛くなるんですよね。たくさん食べると。朝食はかなり食べるんですよ。きょうも相当食べたんですけど、昼はだいたいこんな感じ」
 昼食にかける時間は5分ほどです。昼休みに打ち合わせが入ることも多いといい、限られた時間の中で知事と知事会長の2つの仕事をこなします。

 村井知事が5期目の公約に掲げ推し進めてきたのが、仙台医療圏の4病院再編計画です。
 村井知事「私は宮城県民の中で一番、将来に憂いを持たなければいけない立場の人間ですよね。今、仙台市は病院が多すぎてベッドが多すぎるんです。一部の病院を除いて、どの病院も経営赤字なんです。ただ、これを富谷市だとか名取市に持っていくことで、存続させることができるということです」

 この計画をめぐっては、村井知事の進め方が説明不足や強引だとして批判を受けることも多くありました。
 村井知事「これを止めることは当然、何の根拠もありませんからできない。私がやったことに対して止めることができるのは県議会だけ」

 仙台赤十字病院と宮城県立がんセンターは統合して名取市に移転することで合意しましたが、宮城県立精神医療センターと東北労災病院は合築して富谷市に移転するのを断念。まだ先は見通せない状況が続いています。

 宮城県民は今の村井知事をどう見ているのか、仙台市で聞きました。
 県民「4病院の編成とか、ちょっと急ぎすぎたところがあるかな」「ここ2、3年、強引なところが出てきてるんじゃないか。病院の問題とか色々あるじゃないですか」「もうちょっとみんなの意見を聞いたほうがいいと思うね。病院の再編とか。ちょっと独断的なところがあるんじゃないか」

 こうした県民の指摘に村井知事は。
 村井知事「私も人の子ですから、人間ですから批判されてうれしい事は1つもございません。辛いなと思う事の方が多いんですけど、でも私は宮城のリーダーですから、やるべきことはやっていかないといけないなと思って腹を据えてやっています」

 2025年11月に5期目の任期満了を迎える村井知事は、今の任期でやり残したことがあると話します。
 村井知事「まだ途上のものっていうと、4病院の問題しかり防災拠点の問題しかり、県民会館もこれから建設が始まるっていう問題があったり」
 記者「これは絶対やりたかったけど、できなかったものは」
 村井知事「政策と言っていいか分からないがPSMCですね。半導体工場の誘致。これは本当に県民の皆さんに大きな希望を与えたんですよね。これが一番、この5期目で残念な事だったですね。まだあきらめずに県の職員、色々なところにアプローチしているので、いい結果が出せるように努力していきたいと思っています」

去就は

 気になるのは2025年の秋に予定される知事選への去就です。宮城県の長い歴史でも6期目を務めた人はいません。
 村井知事「やりたい事はいっぱいありますけど、総合的に色々な事を考えていきたいと思っていまして、現時点では6期目に臨むかどうかは本当に白紙です」

 次の知事選への挑戦は白紙と答えた村井知事。5期目も残り10カ月ほどになり、6期目に臨むかどうかは「やりたい政策があるか」で決めると話します。
 村井知事「6期目になったら、私のことだから色々な事をどんどんやっていって、6期目の終わりになったらまだ残ったものが出てくるという事もあると思う。いつまでもやりたい事を続けるのも不可能だと思っています。周りの状況なども良く見ながら、自分がやったほうがいいのかどうか、自分じゃないとできないのかどうか、しっかり見ながら最終的な判断をしたいと思っています」