市民からは安堵(あんど)の声が聞かれました。長野駅前で男女3人が刺されて1人が死亡、2人が重軽傷を負った事件で、警察は46歳の男を殺人未遂の疑いで逮捕しました。

■長野3人殺傷 46歳の男を逮捕

 アパートを取り囲む捜査員。26日、午前中の長野市は雪がちらついていました。出入り口には警察車両が見えます。

 動きがあったのは午前7時半前のこと。防犯カメラなどから容疑者を特定した警察はチェーンソーを使い自宅へ突入、逮捕となりました。長野市在住、無職の矢口雄資容疑者(46)。22日に長野駅前で軽傷を負った女性への殺人未遂の疑いです。

 近所の住人は…。

近所の住人 「花火みたいなのが7時ごろ鳴って、『ドンッ』という1回だけ。花火じゃなかったと思うんですけど」

 逮捕を受けて開かれた捜査本部のトップの会見です。

長野県警本部 吉沢敏刑事部長 「10都県警察からの応援をいただき、特別警戒を実施するなかで多くの皆様から多大なご理解とご協力をいただき、被疑者を逮捕することができました」

 個別の事件では、異例となる220人態勢での捜査。警察は2度にわたり容疑者の画像を公開するなど、強力に捜査を進めてきました。

 改めて、事件当日の画像と26日の矢口容疑者を比べてみます。頭に巻いていた、白い布のようなものは被っていません。注目は目元とあごです。公開画像にあった眼鏡がなく、白いひげのように見えたあごには何もありません。マスクだったのでしょうか。可能性の一つとして、矢口容疑者が目撃者などを欺くため変装していたということも考えられます。

 捜査関係者によりますと、矢口容疑者は犯行の1時間ほど前には駅前の広場にいて、駅の構内にも出入りしていました。そして、犯行後は徒歩で逃げたとみられています。現場から矢口容疑者の自宅までは東へおよそ3キロ。歩けば1時間ほどの距離で一人暮らしをしていたようです。

 市民からは安堵の声が聞かれました。

中3の子を持つ母親(50代) 「学校行ったり来たりする時に“何かあったら”とどうしても思った。早く犯人が捕まればいいなと思っていて、朝捕まったと聞いた時は“ホッとした”が正直な気持ち」

 矢口容疑者は調べに対し、黙秘を続けています。

 警察は逮捕に合わせて自宅の捜索も行いましたが、凶器の発見には至っていません。

 今後は容疑を殺人へと切り替えることも視野に捜査を進めています。