3日に亡くなった阪神タイガース元監督の吉田義男さんは、1990年代に野球フランス代表の監督を務め、野球の普及に貢献しました。当時の主将が、ANNの取材に応じ、吉田さんへの感謝の思いを語りました。
野球フランス代表元主将 ダビッド・ムーランさん(55) 「吉田氏はフランス野球界に彼の持っていたあらゆる知識や知恵などをもたらしました。何よりも彼が私たちをいろいろな場所に導き、インターコンチネンタルカップや世界選手権、ヨーロッパ選手権などに出場させてくれました。そのための鍵を持っていたのです」
フランス・パリ近郊に住むダビッド・ムーランさんは、吉田義男さんが1990年代に野球フランス代表の監督をしていた際、主将を務め、吉田さんと同じショートを守っていました。
野球フランス代表元主将 ダビッド・ムーランさん 「彼は非常に慎重で、謙虚な人でした。無駄がなく的確な話し方で、私たちは彼に心を打ち明けることができました。良いアドバイスをしてくれ、私たち自身が成長できるための助けになるよう本当に集中してくれました」
1998年には当時、阪神タイガースの監督だった吉田さんの招待で日本を訪問し、縦じまのユニホームを着てキャンプにも参加しました。
ダビッドさんは、2014年にフランスで開催された野球の国際大会「ヨシダ・チャレンジ」を企画するなど、選手を引退してからも吉田さんとの交流は続きました。
野球フランス代表元主将 ダビッド・ムーランさん 「(2014年に)彼は私にこのグローブをくれました。『私の価値観をあなたに少しだけ伝えましょう。フランスで教えたあなたが野球について知っていることを、今度はあなたが誰かに伝えるために』と言って」
吉田さんの死去を受けて、フランス野球ソフトボール連盟(FFBS)は、公式サイトで、「フランス野球界は偉大な伝説を失いましたが、吉田氏の精神と功績は、私たちの心の中、そして野球の歴史の中に永遠に刻まれます」と追悼しています。