仙台市の八木山動物公園で生まれたホッキョクグマの双子の赤ちゃんが、飼育が非常に難しいとされる生後1カ月の壁を越え、元気に育っています。

 12月20日にホッキョクグマのポーラが双子の赤ちゃんを産みました。

 ホッキョクグマの赤ちゃんは、生育がとても難しいとされています。

 野生のホッキョクグマは、真っ暗な巣穴の中で外に出ることなく何も食べずに子育てをします。

 八木山動物公園でもほぼ同じ環境を作っているため、飼育員たちは親子のいる部屋には近づかずモニターで観察を続けています。

 生後約3週間目の双子の赤ちゃんは、授乳が軌道に乗るまでの3日間の壁を乗り越え、元気な様子を見せています。

 その後も順調に育って体が大きくなり、少し安心できる1カ月の壁を乗り越えることができました。

 飼育担当三浦史順さん「おそらくもう目が開いている状態で、かなり足もしっかりしてきている。前に進もうとしたり動いてお母さんの体から抜け出したりということが、結構映像で見えるようになってきた」

 ホッキョクグマは、何頭か赤ちゃんが生まれても1頭しか育たない例が多いと言います。母親が、元気な1頭にのみ授乳するなどして、他の赤ちゃんが死んでしまうためです。 しかし、ポーラは2頭の赤ちゃんに分け隔てなく授乳しているということです。

 飼育員三浦史順さん「ポーラが2頭に気を遣って、しっかりと面倒を見てくれている。やはりポーラはすごいと思っている」

 2頭は順調に育っていますが、飼育員たちにとって緊張の日々は続きます。

 飼育員三浦史順さん「これから大きくなると運動場に慣らさなければいけないので、その時に段差があったりしますので、そこで転倒したりとかけがが無いように」

 ポーラの子育ては八木山動物公園のユーチューブなどでも紹介され、全国から多くの応援の声が届いています。

 飼育員三浦史順さん「2頭が育っていることは本当に悲願。このまま無事に育ってくれることを願っている状態です」