去年、実在する企業を装い、パスワードなど個人情報を盗み取る「フィッシング詐欺」の被害報告件数が前の年に比べて50万件以上増えたことなどが警察庁のまとめで分かりました。
去年、政府や交通機関、金融機関などの重要なインフラに対し、複数のコンピューターなどから同時に大量アクセスするDDoS攻撃とみられる被害などが相次いで発生しました。
今月13日に警察庁が公表したまとめによりますと、サイバー攻撃を試みる不審なアクセス件数は、IPアドレス1つにつき1日平均約9500件と年々増加しています。
パソコンを感染させ保存しているデータを暗号化するなどして、復旧するための対価を要求する不正プログラム「ランサムウェア」の被害報告も、去年1年間で222件発生し依然高い水準です。
特に対策の手薄な中小企業の被害件数は3割以上増え、復旧にかかる期間や費用も増しています。
また、実在する企業やサービスを装いメールなどを使ってパスワードなど個人情報を盗み取るフィッシング詐欺の報告件数は、前の年に比べ4割以上増加し171万8036件でした。
インターネットバンキングに関わる不正送金の被害総額は約87億円で、そのうちフィッシング詐欺が手口の9割を占めるということです。
警察庁は情報解析や捜査のスペシャリスト達を集め去年発足した「サイバー特別捜査部」を中心に関係機関と連携し、被害の未然防止などに向けた取組みを行うということです。